■50代の管理職に「結婚」のターゲットにされた22歳


「漫画とかの世界でしか聞かないような一昔前のようなことをこんな時代にまさか“自分が”現実で言われることになるとは…信じられませんでした。」と話すのは、作者の尾持さん。30歳も年上の独身上司にターゲットにされ、飲みの席で「付き合ってほしい」と告白された。周囲の社員たちは「空気読めよ!」と煽り立て、仕方なく付き合うことを承諾。その後も2人を進展させようとデートに行くよう仕向けたり、上司は「俺と結婚しなきゃクビ」など、立場を利用して強迫してきた。「こんなのとにかく冗談であってほしい…という気持ちが強かったです。」と、尾持さんは当時を振り返る。
■家族すら味方になってくれなかった


上司に付きまとわれ、心身を病んだ尾持さんは「会社に行きたくない」と母親に訴えた。しかし、支えてくれるはずの家族は毒親。「独身は恥」と言って上司と付き合うことをすすめてきた。「当時『モラハラ』という言葉を知っていれば、母が異常だと気づけていたかもしれません。“言葉の暴力”は、日常茶飯事でした。『味方がひとりもいない』というのは本当に怖いものです。」母親すら味方になってくれず、社内では「この状況をおもしろがっている人がほとんどだった」と言うように、尾持さんは1人でこの状況に耐えるしかなかった。
■ハラスメントの常態化で気持ちが「マヒ」してきた


「元々上司の嫌田さんのことは苦手だったのですが、だんだん『苦手』とか『嫌だ』という気持ちがマヒしてきて、嫌田さん含めた周りの人にも反抗する気力がなくなってきました。『逆らう』ということ自体、考えなくなっていました。自分の気持ちが薄れていく状態になったら、危ないかもしれませんね。」心身ともに限界を感じた尾持さんは、辞めることを決意。決めたら一気にためらいがなくなったという。上司とのやり取りや画像を撮影、保存するなどパワハラの証拠集めに専念した。


「いじめなんて乗り越えなくていいから逃げる。それでいいと思います」逃げることが一番の最適解だと尾持さんは言う。社長に退職の意向を伝えたとき、パワハラ、セクハラ、いじめについての話をしたが、加害者たちは「嫌田さんが可哀想で彼女作りに協力した」「尾持さんに彼氏を作ってほしかった」などといいように述べ、「悪気はなかった」と謝罪だけでことを済ませた。会社も大ごとにはしたくないため、被害者は泣き寝入りするしかないのだ。
取材協力:尾持トモ(@o0omotitomo0o)
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