介護で行うべき声かけとは?避けるべき言葉やポイント、ケース別の声のかけ方について解説します

介護で行うべき声かけとは?避けるべき言葉やポイント、ケース別の声のかけ方について解説します

【ケース別】介護での声のかけ方

【ケース別】介護での声のかけ方

認知症の方への声かけはどのように行えばよいですか?

認知症の方に声をかける際は、まず安心してもらうことを目的にしましょう。脳の機能低下により、今いる場所や話しかけている相手が分からず不安を感じることがあるため、落ち着いた話し方とわかりやすい表現が重要です。

声をかける際は、ゆっくりとしたテンポで高すぎない穏やかな声を意識し、「○○さん、私は△△です。今からごはんですよ」といったように、誰が何のために話しかけているのかを明確に伝えると相手の理解につながります。

また、いくつもの話題を同時に伝えると混乱を招くため、ひとつずつ短く区切って話すようにしましょう。内容が理解できていない様子でも、焦らず繰り返し丁寧に声をかけることが大切です。

目が不自由な方への声かけについて教えてください

目が不自由な方とのコミュニケーションでは、声かけが相手の安心と理解を支える大切な手段になりえます。まず注意すべきは、いきなり後ろから話しかけないことです。突然の声は驚きや不安を与える原因になりかねません。
声をかける前に、しっかりと正面に立ち、気配を感じ取ってもらったうえで自身の名前を名乗り、ゆっくりとはっきり話しかけましょう。

また、「あれ」「これ」「そこ」といった指示語は避け、位置や距離を具体的に伝えることが重要です。例えば、「右手側の机の上にあります」「1m先に段差があります」など、数字や方位を使うと理解しやすくなります。

さらに、一度に多くの情報を伝えず、短く整理された言葉での説明もおすすめです。相手が耳から状況を把握できるよう、落ち着いたトーンで丁寧に声をかけることを意識しましょう。

介護拒否のある方にはどのように声をかけたらよいですか?

介護を拒む方は、「できないことを認めたくない」「他者に世話をされるのが恥ずかしい」などの心理的な抵抗を抱えていることがあります。そのため、介助を急がず、まずは落ち着いた雰囲気で話しかけることが大切です。

いきなり介護内容を伝えるよりも、「今日はいい天気だね」「最近の調子はどう?」など、世間話から始めると心が開きやすくなります。また、「○分後に食事の時間だよ」と前もって知らせるなど、予告のある声かけを行うことで、気持ちの準備ができ受け入れやすくなります。

介助を拒まれた場合も、無理に続けず一度時間をおいて再度声をかける、もしくは別の家族が対応するなど、タイミングなど状況を変える工夫もおすすめです。強い説得よりも、相手に共感を示しながら、安心して選択できる環境づくりを心がけましょう。

排泄や入浴の際はどのような声かけをすればよいですか?

排泄や入浴は、介護のなかでも特に羞恥心を抱きやすい場面です。家族が介助を行う場合も、相手の尊厳を損なわないような言葉選びが求められます。

排泄の際は、「お手洗いを済ませてから休もうか」「寒くない?」など、自然で穏やかな声かけを意識しましょう。汚れやにおいに関する言葉は避け、必要な動作を伝える際には「ズボンを下ろすね」など、行動の前に一言添えることが安心感につながります。また、周囲に聞こえないような配慮も重要です。

入浴介助では、無理に誘うのではなく、「お風呂に入るとすっきりするよ」「髪を洗ってさっぱりしようか」など、前向きな理由づけで促すとよいでしょう。洗う箇所やサポート内容については、その都度「シャンプーしてもいい?」と確認し、本人の同意を得ながら進めることが大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで介護における声かけについてお伝えしてきました。介護における声かけの要点をまとめると以下のとおりです。

声かけは、介護を受ける方に安心感を与え、信頼関係を築くために欠かせない行為である。適切な言葉がけにより、不安を和らげ、体調や気持ちの変化にも気付きやすくなる

声をかける際は、命令口調や否定的な言葉、上から目線の言い方は避け、相手の尊厳を保ちつつ、状況に応じて穏やかで丁寧な言葉を選ぶことが大切

声かけを行う際は、落ち着いたトーンでゆっくり話し、明るい表情や自然なジェスチャーを添えると効果が期待できる。言葉と態度の両方で安心感を伝えることが、円滑な介護につながる

介護は、精神的にも体力的にも負担を感じる場面が少なくありません。だからこそ、声かけのポイントを押さえておくことが大切です。適切な声かけを意識することで、相手との信頼関係が築きやすくなり、介護をより円滑に進めることにつながります。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献

高齢者の活動意欲に対する介護者の声かけの影響|静岡県立大学短期大学部研究紀要第21号2007年

100歳プロジェクトPart 2認知症の方が安心する『声かけ 」|JA岩手県厚生連

介護スタッフが認知症高齢者に用いるコミュニケーション技法の特徴とその関連要因|日本看護研究学会雑誌

白杖SOSとは?白杖使用者の声かけのポイントは何?今更聞けない視覚障害者の使う白杖とは?③|公益財団法人日本ケアフィット共育機構

暴言・暴力|国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター

不快なく安心して入浴実施につながる声掛け方法の効果について|第13回高齢者福祉実践・研究大会「アクティブ福祉in東京’18」

配信元: Medical DOC

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