試練の日々と変化の兆し
処置が始まり、長男は激しく抵抗しました。
腕と胸に巻かれたバンテージや三角巾を、すぐに外してしまいます。
医師も看護師さん3人も、私も途方に暮れました。
「外さないでね」「じっとしていてね」と言っても、状況が理解できずパニックを起こしています。
何とかバンテージを巻いて帰宅しましたが、そこから試練の日々が始まりました。
体格は立派な大人になった長男ですが、理解や感情の表れ方は幼い子供のように純粋です。
痛みと不安で、いつも以上に私に甘えてきます。
仕事をしようとしても邪魔をされ、家事もままなりません。
ついイライラして「もう! ダメでしょ!」と怒ってしまった瞬間、長男の目に涙が浮かびました。
悲しそうな、寂しそうな表情です。その顔を見て、私はハッとしました。
長男は今、一番不安で辛いのに、私はまた怒ってしまった……。
その夜、私は深く反省し「怒る」のではなく、「寄り添う」ことを最優先にしようと決めました。
寄り添いと学び
私は長男が甘えてきたら、仕事の手を止めて抱きしめることにしました。
「痛かったね、頑張ってるね」と何度も声をかけます。
バンテージを外そうとしたら「これがあると早く治るよ」と説明し、一緒に好きなアニメを見て気を紛らわせました。
すると長男は少しずつ落ち着いてきました。
完全ではありませんが、固定を受け入れる時間が増えていったのです。
2週間後の診察。
医師から「よく頑張りましたね。順調に癒合していますよ」と言われました。
手術を回避することができ、私は心からホッとしました。

