頭部外傷後遺症の前兆や初期症状について
頭部外傷後遺症の症状は、頭痛やめまい、吐き気などのほか、損傷された部位に応じて神経症状や高次機能障害、精神的症状などが起こります。
神経症状
頭部外傷後後遺症では、脳の損傷部位に応じて、手足のどちらかが正常に動かなくなる片麻痺や、物に触れた感じなどがわかりづらくなる感覚障害が起こることがあります。
また、目の機能に関連する神経が障害された場合は、視界がぼやけたり光に敏感になったりする症状が続くことがあります。耳の機能が障害された場合は、耳鳴りや聴覚の過敏さ、めまい感などもあらわれます。
高次脳機能障害
高次脳機能とは、記憶、注意力、判断力、言語理解など、人間が社会生活を送るうえで必要な脳の働きのことです。脳の損傷部位によって高次脳機能障害が起こると、新しい情報を覚えることが難しくなったり、事故の前後の記憶が抜け落ちたりする(記憶障害)ことがあります。
ほかにも集中力が著しく低下し、一つの作業に長時間取り組むことが困難になる(注意障害)、言いたい言葉が出てこない、相手の言葉が理解できない(失語症)などの症状があらわれる場合があります。感情のコントロールが難しくなり、些細なことでイライラしたり、突然泣き出したりする(感情失禁)こともあります。
精神的症状
頭部外傷がきっかけで不安や抑うつ状態になり、社会的な引きこもりにつながることもあります。外傷後のストレス障害(PTSD)を発症することもあり、事故の記憶が繰り返しフラッシュバックしたり、強い不安や恐怖を感じたりします。
頭部外傷後遺症の検査・診断
頭部外傷後遺症は、複数の検査を組み合わせて総合的に判断する必要があります。
問診・診察
はじめに、事故や受傷の状況、意識障害の有無、症状の経過などを詳しく確認します。患者本人が自身の状態を正確に認識できていない場合もあるため、日常生活にどのような影響が出ているか、家族からも情報を集めます。
画像検査
CTやMRIによって、脳の血腫や頭蓋骨などの状態を観察します。必要に応じて、脳の血流状態を確かめるために脳血流シンチグラフィーなどを行うこともあります。
神経学的検査
身体の神経症状を調べるために、運動麻痺や感覚の検査、深部腱反射(筋肉の腱を刺激することで神経の反応を見る検査)などを行います。脳神経の検査によって目の動き、顔の表情なども詳しく調べます。これらの検査によって、脳の損傷でどのような症状が出ているかを確認できます。
高次脳機能検査
高次脳機能検査では、知能検査や記憶検査、注意機能検査、失語症検査などを行うことで、さまざまな高次機能障害の有無やその程度を客観的に評価します。評価の結果は、リハビリテーションの計画にも役立ちます。

