症状が疑われるときの対処と受診の目安

どのような症状が出たら医療機関を受診したほうがよいですか?
繰り返す回転性めまいに加えて耳の聞こえづらさや耳鳴りなどの症状が見られたら、できるだけ早めに耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。特に、めまいと同時に難聴が起きたり、耳鳴りや耳の詰まりを感じたりする場合はメニエール病が疑われます。目安として、1晩寝て、起きても治らないような場合、「そのうち治るだろう」と様子を見ずに医師に相談してください。耳の病気によるめまいは、早期に診断・治療することで聴力の温存や発作予防につながる場合があります。また、突然の片耳の難聴、継続する耳鳴り、耳が詰まった感じが続くといった症状だけでも現れた場合も要注意です。メニエール病だけでなく突発性難聴としても起こるような症状であり、発症早期に受診しないと治療機会を逃す可能性があります。
症状が軽いときでも受診すべき理由を教えてください
症状が軽いうちに受診することには大きなメリットがあります。メニエール病は初期には症状が軽く「疲れてふらついただけかな」などと思いがちですが、この段階で適切な治療や生活改善を始めればその後の悪化を防ぎやすいからです。具体的には、内服薬で発作を抑えたり、食事の減塩指導やストレス管理など生活習慣の改善によって発作の頻度を減らしたりすることが期待できます。逆に、「たいしたことない」と放置して発作を繰り返すうちに、聴力の低下がもとに戻せない状態まで進行してしまう可能性があります。メニエール病は根本的な完治が難しい病気ですが、初期からきちんと管理することで、発作と上手に付き合うことが可能です。また、軽い症状でも実は別の病気の可能性もあります。医師の診断を仰ぐことで正しい対処法がわかり、安心にもつながります。以上の理由から、症状が軽いうちでも早めに医療機関を受診しておくことが大切です。
救急受診が必要になるケースはありますか?
メニエール病そのものは命に関わる疾患ではなく、多くの場合は外来での対応が可能です。しかし、次のような例では緊急対応が必要です。まず、めまいに加えて手足のしびれや脱力、ろれつが回らない、激しい頭痛、意識がもうろうとするといった症状がある場合です。このような症状はメニエール病では起こらず、脳梗塞や脳出血など中枢神経の異常が疑われます。
すぐに救急車を呼んで脳神経外科などで診察を受けてください。次に、メニエール病の発作自体がとても激しく嘔吐が止まらない場合です。水分すら摂れず脱水になるおそれがあるため、救急外来で点滴によるめまい止めや吐き気止めの投与を受けることが望ましいです。特に、初めて経験する激しいめまい発作では、自分ではメニエール病と断定できないため、症状が重いと感じたら無理をせず救急受診してください。また、発作中に転倒などの二次被害を防ぐためにも、必要に応じて周囲の方に助けを求め迅速に受診することが大切です。
編集部まとめ

メニエール病は、激しいめまい発作と耳の症状を繰り返す病気です。メニエール病自体が命に関わるものではありませんが、放置すると聴力の低下が進み、耳鳴りや平衡感覚の乱れが慢性化してしまう可能性があります。早期に耳鼻咽喉科を受診することで、薬物療法や生活習慣の見直しによって発作の頻度を抑えたり、聴力へのダメージを最小限にできたりする場合があります。メニエール病そのものは完治が難しくても、多くの患者さんは治療と工夫で発作と上手に付き合いながら生活されています。「最近めまいと耳の違和感を繰り返している」という方は、ぜひ早めに医療機関で相談し、適切な治療を受けてください。
参考文献
『メニエール病』(順天堂大学医学部附属順天堂医院)
『めまい』(兵庫医科大学病院)
『めまい』(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)

