深頸部膿瘍の前兆や初期症状について
深頸部膿瘍ではさまざまな症状がみられます。
主な症状としては、発熱、首や喉の腫れ、痛みなどが挙げられます。
膿瘍が広範囲におよぶと、口が開きにくくなったり、息苦しさや呼吸困難をきたしたりする場合もあります。
また、症状の進行により敗血症(はいけつしょう)や多臓器不全をきたした場合は、血圧低下や頻脈などの症状がみられるケースもあります。
呼吸困難に陥っている場合や敗血症、多臓器不全が疑われる場合は、早急な治療が必要です。
小児の深頸部膿瘍では、症状の乏しいケースが珍しくありません。
小児は症状を上手に伝えられず、重症度がわかりにくいケースも多く、食事をうまく飲み込めなかったり、首を動かしにくくなったりするなどの通常とは異なる様子がないかを、慎重に観察することが重要です。
様子がおかしい場合や、違和感がある場合は、すみやかにかかりつけの小児科や救急医療センターを受診しましょう。
深頸部膿瘍の検査・診断
深頸部膿瘍の検査では、触診や視診、内視鏡、血液検査、画像検査(CT、MRI、超音波検査など)、細菌培養検査などがおこなわれます。
触診では、腫れや痛みがある場所を確認します。
縦隔(両側の肺に囲まれた心臓や大動脈などが存在する部分)などの広範囲に膿瘍が広がっていないか確認するために首以外の部位を触診するケースもあります。
視診では、口の中を確認して深頸部膿瘍の原因となりやすい扁桃腺(のどちんこの両脇にあるこぶのような構造)の炎症や、むし歯、歯周病などの歯科疾患がないか確認します。
喉の奥を観察したい場合は内視鏡で、深頸部膿瘍につながる炎症の有無や部位、重症度などを確認します。
血液検査も炎症の重症度判定に有効であり、白血球数やCRP(C反応性タンパク質)などの値を測定することがあります。
CT検査、MRI検査、超音波検査などの画像検査は、炎症による膿瘍形成の有無や膿瘍の広がりを確認する目的でおこなわれることがあります。
なかでも造影剤を使用したCT検査は、膿瘍の広がりや縦隔への進展の有無、気道閉塞状態の確認に役立ちます。
膿瘍形成が認められた場合は、採取した膿瘍から細菌の種類を特定する細菌培養検査がおこなわれる場合もあります。

