リンパ管奇形の治療
リンパ管奇形の治療は症状の程度や部位、年齢などを考慮して硬化療法、手術療法、薬物療法を組み合わせて行います。
硬化療法
嚢胞中に硬化剤という薬剤を注入し、腫瘤を固めて縮小する治療です。穿刺(せんし:針を刺すこと)が可能で、周辺組織の損傷リスクが少ない部位に適応されます。
数週間かけて腫瘤を小さくしたあと、手術によって切除することもあります。
手術療法
呼吸や摂食に影響を与える部位にある腫瘤ができている場合は、腫瘤の切除を検討します。
腫瘤の大きさや状態によっては周辺の血管や筋肉などの組織を損傷するリスクもあるため、慎重な判断を要します。
薬物療法
リンパ管奇形を含むリンパ管疾患の治療に効果が期待できる薬剤を用いる方法です。ステロイドや抗がん剤を用いる場合もあります。
いずれの治療法を行う場合も感染予防や定期的な経過観察が重要です。また、治療後も再発する可能性があるため長期的なフォローが必要です。
リンパ管奇形は腫瘤ができる場所によっては外見上に問題を抱えることもあるため、精神的なサポートも欠かせません。
リンパ管奇形になりやすい人・予防の方法
リンパ管奇形は胎児期の発生過程で起こる先天性の病気であり、明確な原因は解明されていません。
生活習慣や環境的な要因が関連していたり、親から子どもへ遺伝したりすることもないため、リンパ管奇形になりやすい人を予測することは困難であるのが現状です。
リンパ管奇形をすでに発症している場合、何らかの菌によって感染症が起きると症状が悪化する可能性があるため、日常的な手洗いやうがいなどの感染予防が重要です。
また、腫瘤がある部位を強く打たないように注意することも大切です。
リンパ管奇形による腫瘤ができる場所によっては呼吸困難になったり、食事摂取が難しくなったりすることもあるため、日頃から子どもの様子をよく観察するようにしましょう。
また、リンパ管奇形の診断を受けた後は定期的な診察を受けることが重症化の予防につながります。
成長期の子どもの場合、身体の成長にともなって症状が変わる可能性があるため、医師による継続的な経過観察が重要です。
関連する病気
静脈奇形
動静脈奇形
リンパ管腫症
ゴーハム病
単純性血管腫
ポートワイン母斑
混合型血管奇形
参考文献
公益財団法人難病医学研究財団難病情報センター「巨大リンパ管奇形(頸部顔面病変)」
一般社団法人日本形成外科学会「リンパ管奇形(リンパ管腫)」
国立研究開発法人国立成育医療研究センター「リンパ管腫(リンパ管奇形)」
一般社団法人日本小児外科学会「血管腫、血管奇形、リンパ管奇形(リンパ管腫)」
大阪大学医学部附属病院胎児診断治療センター「リンパ管奇形」
地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川科県立こども医療センター「リンパ管種(リンパ菅奇形)」

