先天性真珠腫の治療
先天性真珠腫は自然治癒は見込めないため、基本的には手術による摘出が必要です。初期段階であれば大がかりな手術にはならず、術後の後遺症リスクなども少ないとされています。
また、炎症が起きている場合には、細菌検査をしたうえで、抗菌薬による治療も行います。
鼓室内の真珠腫を取り除くために「鼓室形成術(こしつけいせいじゅつ)」という手術がおこなわれます。先天性真珠腫は小児に多くみられるため、入院して全身麻酔下での手術となることが一般的です。
耳の後ろを切開し、特殊な顕微鏡を使って、耳の中の真珠腫を取り除きます。なお、近年では、内視鏡を用いた耳の手術を行う施設も増えてきています。
初期の小さな真珠腫であれば、取り除くだけで治療が完了することもあります。しかし、真珠腫によって耳小骨が破壊され、音の伝わりに影響がある場合には、患者自身の軟骨などを用いて修復を行います。
炎症が強い場合や再発のリスクを考慮する場合などは、手術を複数回に分けておこなうことがあります。術後は再発を予防するために、定期的な経過観察が必要です。
先天性真珠腫になりやすい人・予防の方法
先天性真珠腫は先天性の病気であり、乳幼児が発症している可能性がある病気です。
詳しい発症原因が明らかになっていないため、現時点では予防する方法はありません。
ただし、初期段階で発見し治療することができれば、治療後の経過も良好であることが知られています。できるだけ早期発見を目指し、乳幼児には定期的な耳の健診を受けさせることが重要となります。
関連する病気
耳小骨奇形
外耳道閉鎖症
後天性真珠腫
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緊張部型真珠腫
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内耳瘻孔
顔面神経麻痺先天性耳瘻孔(せんてんせいじろうこう)
鼓室硬化症
中耳炎参考文献
日本耳科学会「中耳真珠腫進展度分類2015改訂版」
J-Stage「先天性真珠腫の診断と治療」
National Library of Medicine「Congenital cholesteatoma」
社会福祉法人 恩賜財団 済生会「真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)とは」

