和田雅成&高橋大翔がW主演を務めるドラマ「あなたを殺す旅」(毎週金曜日、FODにて配信)の完成披露イベントが9月26日に都内で開催。和田と高橋が登壇し、本作への思いや役作り、またキスシーンの撮影秘話などについて語った。
本作は浅井西原作の同名のヤクザBLコミックの実写化で、情に厚い若頭・片岡と密命を背負う組員・小田島のひりつくような愛を活写。実写ドラマ化では片岡を和田が、小田島を高橋が演じている。
■和田「美しい面もあり、泥臭い面もある作品。魅力的に感じている」
イベントでは当日の配信に先駆けて第1話上映後、和田と高橋が拍手の中登場。自己紹介の際に高橋が役名を“片岡”と間違えてしまい、早速笑いが起きる。
本作の紹介を司会の生田竜聖から促された和田は「任侠の世界ではあるんですけど、BLと掛け合わさっていることで美しい面もあり、泥臭い面も血なまぐさい場面もある作品。僕はこの作品を魅力的に感じていて、大好きです」と熱く語る。
一方、高橋は「僕はBLの世界に今回本格的に初めて飛び込んだんですが、美しいイメージが強いです。その中でもヤクザとかけ合わせることで、挑戦するからには風穴を開けたいと、自分へのプレッシャーも含めて言ってました」とコメント。
ヤクザというアウトローなキャラクターを演じた2人には事前にアンケートが取られており、その答えを発表することに。「役を演じるうえで意識したこと」の質問に対する、2人の答えがスクリーンに写し出される。
片岡を演じた和田の回答は「自分自身生きているスピードが早いタイプなので、片岡を生きているときは感じるスピードは同じにして、外に出すスピードは遅くしました」。
■高橋「原作の小田島は鋭い目が印象的なので、目つきはかなり意識しました」
和田が「難しいように見えてたぶん浅いコメント。横文字でかっこつけようとしてる」と笑うと、高橋も「スピードが3回出てきてる」と突っ込む。和田は改めて「僕自身関西っていうのもあって町自体、会話も含めてスピードが早いんですよ。だけど、片岡は誰もが憧れる余裕のある男なんですけど、セカセカしていると自分が思い描いてる男にはならないなので、表に出すスピードは自分の100%より60%、70%ぐらいにしたっていうところですね」と説明。
高橋の発表された回答は「原作の小田島は鋭い目が印象的なので、目つきはかなり意識しました。話し方もぶっきらぼうになりすぎないように監督と相談しながら役作りして行きました」とのこと。
この答えについて高橋は「原作では結構キリッとした目元が印象的でしたけど、僕自身はそこまでキリッとしたタイプではないので、鏡を見ながら『こういう感じかな』ってやりながら研究しました。あとは、姿勢だったり佇まいであったり、ヤクザとして普通の人ではない雰囲気を見た目の部分でもかなり意識はしてましたね」と役作りについて語る。
■おちゃめなシーンの映像集で片岡をいじる場面も
独特なオーラを持った片岡について、クスッと笑える意外な一面のシーンをまとめたVTRも用意されていた。和田が「まとめてくれたんだ、わざわざ。ありがとうございます」と感謝を述べると、高橋は「いじられてるだけなんじゃない」と茶々を入れる。
実際にそのVTRは両手がふさがっているときにカップ麺を食べようとすると猫舌で「フーフーしろ」と小田島に命令したり、船から魚を発見すると興奮したり、山で虫がいると大騒ぎしたあとむくれたり、おちゃめな様子の片岡が丁寧にテロップも入って紹介される。完全に片岡をいじっている映像の数々に会場からは笑いが起こり、2人も爆笑。
和田は「フーフーしろ」は台本になかったアドリブだったと明かし、「監督からカットかからないから、熱かったら「フーフーしろ」しかないじゃないですか。でも、1回言ってもまーだ終わらない。だから「もっとフーフーしろ」って。意味分からない。それを全部使いよる(笑)」と振り返った。このシーンは原作にはないオリジナルで監督もおすすめシーンだと明かす。
和田が「どこをおすすめにしてるんですか」と突っ込みを入れつつ、司会者が「シーンとしては何気ない場面なのですが、この時の2人が作り出す空気感がとても素敵でカットをかけるのを忘れてモニターを見続けてしまいました。和田さんと高橋さんが片岡と小田島になったシーンとしてとても印象に残っています」という監督のコメントを披露。和田と高橋は口々に「嬉しいね」と言い合った。
■和田「ただただ唇奪われただけだった
また、お互いへの質問のコーナーでは高橋から「僕とのキスシーンは緊張しましたか？」との問いかけがあり、キスシーンの話題に。質問に対して「緊張しない。緊張してる方が嫌じゃない？ 片岡がキスのときにプルプルって」と和田が答えると、残念そうにする高橋。それを見て和田は「ごめんごめん、した、した、緊張した。めっちゃ緊張した。ドッキドキ」とかわいぶって言うと、高橋は「良かった」とにっこり。
反対に高橋はどうだったかと聞かれて「僕は緊張しなかったんで」と言うと和田が「ぶっ飛ばすぞ！ この野郎」と返して会場が笑いに包まれる。
さらに、高橋が「裏話というか、テストの時にキスしちゃった時があって」と暴露。和田も「キスって本来本番でしかやらないもんなんですけど、何ということなくテストでキスしてきたんですよ」と説明し、「普通にキスして、離れてから、『え？ 今のテストでした？』って」と高橋。
和田が「ただただ唇奪われただけだったんですよ。『行くね』とかもなく」と言うと、「え？ 『行くね』っていうんですか？ キスのとき」と突っ込む高橋。和田は笑って「俺、プライベートで『行くね』って!?ちゃうちゃう」と高橋を叩く手振りをして突っ込み返す。
ここでキスシーンのまとめ映像もちょい見せ。第4話の唇の間に片岡が指を立てて指越しにする“指キッス”や、流血してる片岡との“流血キス”を少し照れながら見て、「うわ！ もうここお見せするんだ」と興奮気味な2人。“指キッス”は初めての挑戦だったが、映像が美しいと感動する和田はとくに「離れる瞬間、唇がちょっと着いてきちゃうあたりとか、本編で注目してみてください。色っぽいんですよ」とアピールした。
■最後は和田に高橋がサプライズでガチ誕生日プレゼント
イベント終盤となって視聴者にメッセージを求められ、まずは高橋が「この役をやることが決まったときにとても大変な役だなと思って、時間をかけて作ってきた自信はありますし、全身全霊で捧げたなっていう気持ちはあるので、本当にたくさんの方に見ていただければ嬉しいです」と話す。
続いて和田は「撮った直後はすぐに見て欲しいと思ったんですけど、完成した作品を見るとスタッフさんたちも本当に命がけで共に作ってくれたんだなって感じます。自分たちは初めての世界なので、どういう風にこのヤクザとBLがかけ合わさった作品が届いていくのか楽しみです」と感無量の様子。
そして「自分が思ったことをストレートにSNSだったり、色んな場所で僕たちにも伝えて欲しいなと思います。投稿する際はカタカナで“#アナコロ”と付けてください」と和田自身が決めたというハッシュタグの投稿を呼びかけた。
最後に司会者が感謝の言葉で締めくくろうとすると、突然高橋が「ストップ！」と指を高く挙げて主張。「9月5日誕生日でしたよね？ 34歳、おめでとうございます！」と和田の誕生日をサプライズでお祝い。和田のために高橋が準備したというガチのプレゼントとしてネックレスと、花束を渡す。高橋が和田にネックレスを着けてあげ、和田は満足そうに喜んだ。
盛大な拍手が沸き起こり、笑いの耐えなかった本イベントは幕を閉じた。
◆取材・文＝牧島史佳
※高橋大翔の「高」は、正しくは「はしごだか」
