●警察官の身に危険を及ぼしかねない犯行
検察官は、被告人の前科にも言及した。前回は、当時の勤務先について「店長が従業員にトラブルの上で刺された」と虚偽の通報をおこなったという内容だった。
被告人はその従業員とトラブルを抱えていたという。検察官から「そのときに反省しなかったのか」と問われると、被告人は言葉を詰まらせた。
今回の事件について、検察官は厳しい口調で次のように問いかけた。
検察官:強い安定剤を飲んだというけど、フォームには住所などの情報も書かれてるし「部屋で強姦されている」など迫真性がある。これを見たら警察官どうすると思いますか?
被告人:申し訳ないです。
検察官:そういった組の事務所に警察が行ったら、どうなると思いますか?
被告人:申し訳ないです。
検察官:何が申し訳ないんですか?
被告人:無用の出動をさせてしまい…。
検察官:組員も「なんやねん」となり、無用のトラブルどころか、警察官の身に危険を及ぼしかねないことをしたんですよ。
被告人は、そこまで具体的な事態を想像できていなかったか、ただ「申し訳ない」という言葉を繰り返すだけだった。最後に検察官は「もっと大きなトラブルになりかねない犯行だったことをわかってくださいね」と穏やかに諭した。
●常習性が認められるが執行猶予に
裁判所は、個人的なトラブルを理由に、まったく関係のない大阪府警を巻き込んだ点を厳しく非難した。また、前科があることから常習性も認められると指摘した。
一方で、就労支援施設による住居や生活面での支援が期待できることなどを考慮し、刑の執行を猶予したと説明した。
判決言い渡し後、被告人は涙を流し、その場で感謝の言葉を口にした。
普段、真面目な態度で就労に取り組み、周囲とのコミュニケーションも取れていたという。精神的に追い詰められたときに支援を求めることができるのか──。
4年間の執行猶予期間は、その姿勢が問われる時期となりそうだ。

