失って初めて気づいた、娘の寂しさ
思い返すと、娘はA子さんを何度も遊びに誘ってくれていましたが、「また今度ね」と断り続けて、一度も遊びには行ったことがないのです。
その時は、甘えから「娘とはいつでも遊べる」「身内よりも、まずは嫁を歓迎してあげなくては」と優先順位を履き違えていました。私は息子の嫁ばかり褒め、嫁ばかりを優先し、実の娘と一緒に出かけることもせず、娘を後回しにし続けていたのです。
拒否したつもりはなくとも、娘からしたら「我が子より嫁ばかり大切にする親」と思われていたのでしょう。「あなたみたいな娘が欲しかった」と嫁に言った言葉も、娘からしたら「自分は要らないのか」と思わせてしまうのに十分過ぎました。
ふとそのことに気付いても、もう遅いようでした。
娘に一緒に出かけようと連絡をしても、
「無理。お兄ちゃんの奥さんと行けばいいのでは?」
と、冷たい返信がくるだけです。
後悔を抱えながら、伝えたい想い
娘は結婚して子どもも生まれましたが、冠婚葬祭の時以外で会うことはありません。
自身の無神経さが招いた結果だと、今は重く受け止めています。
今はただ、遠くから娘家族の幸せを祈ることしかできません。
身近な存在だからこそ、言葉には細心の注意が必要でした。
「実の親子だから許される」という甘えは、時に取り返しのつかない溝を作ります。
今更許してもらえるとは思っていませんが、いつか、あの時の言葉を心から謝罪したいです。
「あなたは代わりのいない、私の大切な娘なのだ」と、いつかまた向き合える日を信じて、伝え続けていきたいと思っています。
【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2025年12月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。

