甲状腺がんは自覚症状が少なく、発見が遅れてしまうのではないかというイメージを持たれる方も少なくありません。どのような症状が出るのか気になる方もいるでしょう。
多くの場合、自覚症状がなく、しこり以外の症状は見られません。進行すると、症状が現れることが多いです。
甲状腺がんの治療法はステージやがんの性質によって異なります。それぞれどのような治療法があるのでしょうか。本記事では子どもの甲状腺がんの症状や原因、治療法について解説します。

監修医師:
山田 克彦(佐世保中央病院)
大分医科大学(現・大分大学)医学部卒業。現在は「佐世保中央病院」勤務。専門は小児科一般、小児循環器、小児肥満、小児内分泌、動機づけ面接。日本小児科学会専門医・指導医、日本循環器学会専門医。
甲状腺がんとは?
甲状腺にできたしこりを甲状腺結節といい、そのうちの悪性の腫瘍が甲状腺がんです。そもそも甲状腺は、のどぼとけのすぐ下に位置し、甲状腺ホルモンを分泌しています。ホルモンの分泌により全身の臓器に作用しており、子どもの成長にも大きく関与しているのです。
甲状腺がんは以下に分類され、特徴や治療法が異なります。
乳頭がん
濾胞(ろほう)がん
低分化がん
髄様(ずいよう)がん
未分化がん
乳頭がんは甲状腺がんのなかでも90%の割合と一番多く、リンパの流れに乗って転移することが多いですが、進行はゆっくりです。濾胞がんは全体の5%で、乳頭がんに比べリンパ節への転移は少ないとされています。しかし、血液の流れに乗って遠くの臓器に転移する可能性もあります。
低分化がんは全体の1%未満ですが、乳頭がんや濾胞がんと未分化がんの中間的ながんです。髄様がんは1〜2%の割合ですが、悪性度が高く転移しやすいのが特徴です。また、未分化がんは悪性度が高く進行も早いため、症状が顕著に出てくることがあります。
子どもの甲状腺がんの症状
甲状腺がんは自覚症状がないことが多く、検診での発見や進行により症状に気付くことがほとんどです。さらに、子どもは症状を訴えることができず、気付きにくいことがあります。
これから紹介する子どもの症状をみて早期発見、早期治療に努めていきましょう。
しこり
甲状腺がんの多くは、無症状で経過をたどることが多いです。痛みのないしこりを感じることがあり、部位としては前頸部(甲状腺)や側頸部(リンパ節)に触れられます。
嗄声
嗄声(させい)とは声のかすれのことです。甲状腺の裏側にある反回神経ががんにより圧迫され、声帯を動かす機能が損なわれてしまいます。
嚥下障害
嚥下(えんげ)障害とは、食事の際のむせ込みや、飲み込みが障害されることです。甲状腺の周りには気管や喉頭があり、浸潤してきたがんによって障害されているために起きることがあり、飲み込みにくくなります。
誤嚥
上記でもあるような嚥下障害も相まって飲み込みがうまくできず、正常なら食道に入る食事が誤って気管に入ってしまうことがあります。
呼吸困難
大きくなったがんが気管や喉頭に浸潤してくると圧迫されて、呼吸がしづらくなることがあります。
咳嗽
異物を排除しようとする身体の防御反応として咳嗽(せき)が起こります。声帯や気管にがんが浸潤して圧迫することで咳嗽が誘発されます。
血痰
肺などへの転移が認められた場合、痰に血が混じる血痰(けったん)がみられることがあります。

