修斗の言葉を信じきれず、不安な日々を送るあんり。彼とのハグにも以前のような温かさを感じられず、自分だけが結婚生活に満足しているのかもしれないと苦悩してしまう。
愛し合っていると思っていたのは私だけ?
結婚を決めたあのとき、私は修斗に尽くそう、もう他の異性には絶対に興味を持たないと決めたのに、彼の方はそうじゃなかったのかもしれない。
「ねえ、修斗。私たちの結婚ってうまくいってるよね?」
子どもたちが寝た後、修斗に尋ねた。修斗は一瞬、急な質問にとまどうような表情を見せたけれど、すぐに優しく微笑んだ。
「もちろん。幸せな生活だと思ってるよ」
私は、そうだと思っていた。家ではセックスレスでもないし、スキンシップも日常的にある。休みの日は家族みんなで公園に行ったり、一緒にご飯を作ったりする。そう、私たちは幸せなはず。
以前よりも夫が遠くに感じる
でも、本当にそうだったのかな――夫のメッセージを見てしまってから、夫の「幸せ」という言葉さえも、素直に受け取れなくなっていた。
もしかして、私だけが「浮気は許された」と思っていて夫彼の心は、ずっと私を許せていなかったのかもしれない。私の過去の過ちを、彼は今も引きずっているのかもしれない。過去の自分がしたことが、今、自分に返ってきているのかもしれない。
そう思うと、胸が苦しい。自業自得だと百も承知だけれど、自分の過去の行いがこんなにも自分を苦しめてくるなんて。「どうしてあんなことしてしまったんだろう」もう何年もたつのに、過去の自分を責め、自分の弱さを悔いることしかできなかった。

