「これでもか!」というくらい大規模なクリエイティブディレクター交代劇で、ファッション業界における歴史的な転換点として位置づけられる2026春夏シーズン。夜更かししながらLIVE配信でコレクションをチェックし、やっぱりファッションって楽しいよね♡ とアドレナリンを出しまくった編集Tが注目点を総括。おしゃれのために知っておきたいネタをお届けします!
今年を振り返るより未来を見たい 編集Tの「次、コレ!」
世紀のクリエイティブ交代劇を追え!
“近年最も突出した変革的シーズン”と誰もが口をそろえる2026春夏。パリファッションウィークではCHANEL、DIORといったビッグメゾンで少なくとも8名の新デザイナーが就任、ミラノでもGUCCI、BOTTEGA VENETA、JIL SANDERなど主要ブランドが新たな方向性を示すなど、ラグジュアリーファッション業界は今、クリエイティブの大転換期!
話題性の高いディレクター交代と、近年存在感を増すAPAC(Asia-Pasific)のセレブリティ起用によるグローバルな拡散力UPで、かつてないほどメディアインパクトが強かった2026年春夏ウィメンズファッションウィーク。新クリエイティブディレクターたちは必死にブランドの歴史におけるさまざまな時代のアーカイブを紐解き、ヴィジュアルコードを尊重しつつ、自身の足跡を残そうと情熱を注ぐ。そんなデビューコレクションには賛否両論がつきもの。コレクションが発表されるやいなやSNSでは誰もが評論家のように何かひとこと言いたい状態に。さまざまな意見が飛び交う中で、デムナ後のBALENCIAGAを率いるピエールパオロ・ピッチョーリが放った言葉が心に刺さった。「I don’t want to deny what has been here before me(私はこれまでにあったことを否定したくない)」。それはまるで一服の清涼剤。いやー、さすがです。新しいクリエイティブのポジティブなパワーで、今また、こんなにもブランドが新鮮だし、ファッションが面白い。
GUCCIを率いるのはデムナ(元BALENCIAGA)。彼はファーストコレクションである2026年Spring&Summerも、続く2026年プレ・フォール・コレクションも、自身の“グッチのヴィジョン”をルックブック形式で披露することを選択。これにより年明け2月に予定されている初のランウェイショーへの期待値は高まるばかり!
デムナのビジョンが描かれたショートフィルム『ザ・タイガー』の主演はデミ・ムーア様。他にもエリオット・ペイジ、エドワード・ノートンといった豪華キャストが出演して話題に。
昨年12月に発表された2026年プレ・フォール・コレクションはデムナ自ら撮影!
デムナ後のBALENCIAGAを率いるのは、ピエールパオロ・ピッチョーリ。彼の美意識とクチュールの技が光るファーストコレクションは、ミューズまわりのスタイリストにもファン多数!
カリスマティックだったジョン・ガリアーノ後のMAISON MARGIELAクリエイティブディレクターは、DIESELでも同職を務めるグレン・マーティンス。Y2Kや革新的なデニム表現を取り入れ、若者だけでなくR40世代にまでDIESELの魅力を改めて再注目させた立役者が、MAISON MARGIELAではどんな表現をするのか世界中が熱視線!(写真はDiesel F25のもの)。
新生JIL SANDERを率いるのはイタリア出身の実力派デザイナー、シモーネ・ベロッティ。GUCCIやBOTTEGA VENETA、DOLCE&GABBANAなど多くの有名ブランドでキャリアを積み、BALLYのデザイン・ディレクターも務めた彼は、音楽を趣味として古着を愛するなどご本人の私服のセンスも抜群。イケオジなビジュアルに♡。
マチュー・ブレイジーに代わり、BOTTEGA VENETのクリエイティブ・ディレクターに就任したルイーズ・トロッター(元Carven)。彼女らしいアースカラー(ベージュ、グレー、オリーブなど)を基調とした洗練シックなデビューコレクションは、早くも大好評!
DOLCE & GABBANAのショーのゲストには、2026年5月に全米公開予定の映画『プラダを着た悪魔2』を撮影中のメリル・ストリープとスタンリー・トゥッチが、劇中で演じるキャラクター、ミランダ・プリーストリーとナイジェル・キプリングに扮して参加。なんとその真正面には象徴的な役の“モデル”とも⾔われるアナ・ウィンターが!
LOEWEの新クリエイティブ ディレクターに就任したのは、アメリカのファッションブランドProenza Schoulerの共同創設者であり、デザイナーデュオとして活躍するジャック・マッコロー&ラザロ・ヘルナンデス。
CELINEの新アーティスティック・ディレクターはマイケル・ライダー。POLO RALPH LAURENのウィメンズ部門を率いていた彼は、'08年から9年間、セリーヌにてフィービー・ファイロのもとでプレタポルテのデザイン・ディレクターを務めていた経歴の持ち主。
しかもマリア・グラツィア・キウリのFENDI新チーフ クリエイティブ オフィサー就任、プラダ・グループの買収手続きが完了したVERSACEの今後、天才オリヴィエ・ルスタン退任後のBALMAINのゆくえetc.……、まだまだ注目度の高い話題は続く! せっかくなので、あーだこーだとおしゃべりするためのTIPSを知っておくと倍楽しめるはず。
新生CHANELを率いるのはマチュー・プレイジー(元BOTTEGA VENETA)。世界中で話題となったデビューコレクションはもちろん、その後すぐに発表されたメティエダールコレクションでも、彼らしいモダンで新しいCHANELワールドを表現。今後がますます楽しみ!
マチューは前ブランド時代から親交の深いエイサップ・ロッキーを新ブランドアンバサダーに起用(これ、個人的にはカールがG-DRAGONを起用したときばりにクールなチョイス)。メティエダールコレクションでは、彼とマーガレット・クアリーが共演したティザー映像も話題に♡ CFDAファッションアワード2025でファッション・アイコン賞を受賞しただけあって、話題のシャネル×シャルべのコラボシャツも、サラッと着こなすおしゃれボーイ。
昨年12月にNYの地下鉄をショー会場に行われたメティエダールコレクションの様子。
CHANEL 2026 Spring Summerで登場したシャネル×シャルべのコラボシャツ。エイサップ・ロッキーはこれのピンクを着用。
創設者クリスチャン・ディオール以来、初となるウィメンズ、メンズ、クチュール、アクセサリーを含む全クリエイションを統括するアーティスティック・ディレクターに就任したジョナサン・アンダーソン(元LOEWE)。DIORのヘリテージを彼らしく再解釈した最新コレクションは、まさに今発売がスタートしたばかり。
ジョナサンは就任後、マイキー・マディソン、ミア・ゴス、グレタ・リーを次々と新アンバサダーに指名し、「レディ デイオール」のキャンペーンに起用。デューコレクションのフロントロウには、彼の“ニュールック”を着こなすアンバサダーたちがずらり(右からグレタ・リー、ジェニファー・ローレンス、ジス、マイキー・マディソン)。
グレタ・リー(42歳)のシックな着こなしは、すごく参考になる!
英国の俳優でありプロデューサー、作家とさまざまな顔を持つDIORアンバサダーミア・ゴス。彼女はアカデミー映画博物館で開催されたNetflix『フランケンシュタイン』のロサンゼルスプレミアにDIORを着て登場。
photograph:SPOTLIGHT, AFLO, GETTY IMAGES
otona MUSE 2026年2月号より

