1.子猫の聴力は約1ヵ月で完成する
生まれてすぐの子猫は、まだ耳が聞こえません。そのため、母猫は喉をゴロゴロと鳴らす振動で、子猫とコミュニケーションを図ります。子猫の聴力は、生まれてから約1ヵ月をかけて、下記のような経過で発達し完成します。
<生後6日齢まで>
内耳や聴神経は生まれた直後から発達を始めますが、外耳道が開き始めるのが生後6日齢頃からなので、しばらくはよく聞こえていません。生後2〜3日頃から大脳への電位が見られ始め、生後6日目までには可聴域が200〜6,000Hzまで広がります。(※)
<生後17日齢まで>
生後7日齢になると音がする方への反応が見られ始め、13〜16日齢で音の聞こえる方向を探索するようになります。外耳道は、生後17日齢で完成します。
<生後31日齢まで>
生後21〜28日齢で兄妹猫や人の声が認識できるようになり、聞きなれない音に威嚇する防衛反応を示すようになります。生後31日齢で、成猫と変わらない聴力に発達します。
(※)言葉を話せない猫の聴覚研究では、音に対する行動反応を確認する方法と、脳の電気反応を測る聴性誘発電位の2種類が使われます。「電位が見られる」とは聴性誘発電位のことで、音の情報が脳に伝達されたことを示します。
2.猫の聴力は特に高音の聞き取りに優れている
音は振動です。物体の振動が空気を震わせて音波となり遠くまで伝わり、それをキャッチした耳が電気信号に変換して脳に伝え、音として認識されます。波なので、音の高さは周波数(Hz:ヘルツ)で表されます。
音として認識できる周波数の範囲を可聴域と言い、人と犬と猫の可聴域は下記とされています。数字が大きくなるほど、高音になります。
人:約20〜20,000Hz
犬:約65〜50,000Hz
猫:約25〜75,000Hz
中でも猫が最も敏感に反応する音は、20dB(木の葉が触れ合う程度の音量)で250〜35,000Hz近辺の音です。これは、主な獲物の齧歯類の鳴き声が17,000〜148,000Hzであることに関係していると考えられています。

