あの一件以降、里奈との関係は、あいさつのみの関係に変わった。また、あの場に居合わせたママ友からもランチ会に誘われることはなくなった。園で今まで一緒にいたママ友を見かけるたびに胸がチクチクと痛んだが、私は美香の言葉を胸に、自分の心の平穏を保つように努めた。
そして私は、里奈というコミュニティーにこだわらず、新しい人間関係を探し始めた。
園でのママ友はいったん「ほぼゼロ」に
あれから里奈は、私のことを避けるようにしていた。里奈と仲がいい他のママ友からも、いわゆるハブられるような状態で、ママ友はほぼゼロに。私は、もうここから仲直りはできないだろうと悟った。それでも、無理に話しかけたり、関係を修復しようとすることなく、ただ必要なときのあいさつだけを交わした。それは、私にとって、自分の心を穏やかに保つための、精一杯の努力だった。
もともと内気で人付き合いも苦手なタイプの私にとって、明るいママたちが集まる里奈の周りのコミュニティーは魅力的で、自分にとって必要な場所だと思っていた。
でも今は違う。美香の言葉を胸に刻んで、自分にとって合わない場所には戻る必要がないのだと、自分に言い聞かせた。
だんだんと見つかる、新たな居場所
私は、里奈というコミュニティにこだわることをやめた。代わりに、これまであまり話したことのなかった他のママ友たちに、少しずつ話しかけるようにした。最初は緊張したが、勇気を出して話しかけてみると、意外な共通点が見つかったり、親近感が湧いたりした。
そんな中で、私は恵美さんと仲良くなった。恵美さんは、以前里奈の行動について、私に「大丈夫かな」と話しかけてきたママ友だった。彼女は、私と同じように、真面目で、子育てに対する真剣な思いを持っていた。里奈のように明るくて社交的ではないが、その分、落ち着いていて、安心して話すことができた。
恵美さんとの会話は、里奈との会話とは全く違っていた。里奈との会話は、いつも刺激的で、楽しかったが、どこか自分を偽っているような感覚があった。しかし、恵美さんとの会話では、無理に笑う必要も、話に合わせる必要もなかった。私たちは、子育ての苦労や、子どもたちの成長を、心から分かち合うことができた。

