夫に助けを求める
翌日、私は震える指で達郎に電話をかけました。
「……達郎くん、もう里帰りはやめたい」
達郎は、その日すぐに実家に駆けつけてくれました。私のやつれきった顔と、母の異常な空気を察した達郎は、母に向かって静かに言いました。
「お義母さん、茜と蓮を一度自宅に連れて帰ります。いろいろご迷惑をおかけしました」
母は鼻で笑い、捨て台詞を吐きました。
「本当に大変だったわ。対して感謝もされてないし。恩知らずな子よね」
実家を去る車の中で、私は蓮を抱いたまま、声を上げて泣きました。本来なら、一番祝福され、守られるべき場所だった実家だったのに。変わってしまった母のことが悲しくてなりませんでした。
自宅では義両親が待っていてくれました。
「茜さん、よく頑張ったわね」
義母は私を抱きしめてくれました。その温もりは、実家の母からは二度と得られないものに感じられました。
「蓮ちゃんも、頑張ったわね。これからは私たちがついてるよ」
義父も優しく笑い、達郎は休みのたびに甲斐甲斐しく育児をしてくれました。
「ごめんね、達郎くん。私、実家とうまくいかなくて……」
「謝らなくていいんだよ、茜。一番つらかったのは君なんだから」
義両親の助けと、夫の献身的な支えで、私はようやく自分の心が解けていくのを感じたのでした。
あとがき:「母親」として目覚めた茜の強さ
ついに母の狂気が、無力な赤ん坊にまで向けられました。自分への攻撃には耐えてきた茜さんが、わが子を守るために「実家を捨てる」決意をした瞬間、彼女は「娘」から一人の「母親」へと脱皮したのだと感じます。
駆けつけた夫、そして対照的に温かい言葉をくれる義両親。血の繋がりだけが家族ではない、本当の味方とは誰なのかを深く考えさせられるエピソードです。絶望の底で差し伸べられた手に、救われる思いがします。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

