31歳の主婦・詩織は、子煩悩だった夫・裕也の頻繁な朝帰りに違和感を抱く。親友の里香から突きつけられたのは、夫が元カノの舞花と不倫している衝撃の証拠だった。信じていた幸せが足元から崩れ去っていく。
夫の様子がおかしくなった
私は詩織といいます。31歳でやんちゃ盛りの3歳の息子・太陽を育てる母親です。私はよく周囲から穏やかな性格と言われます。夫と息子との平穏な暮らしが、私を穏やかにしてくれていました。しかし、私を地獄に突き落としたのは、一番信頼していた夫の裕也でした。
裕也は32歳。営業職で、ちょっと前は子煩悩な良い父親だったんです。
でも最近、彼の中に違和感を覚えるようになりました。夕食後、太陽をお風呂に入れてくれるまではいいんです。でも、その後「ちょっと会社に戻らないと。最近仕事が忙しくてまだ終わらないんだ」と言って家を出ていくと、帰ってくるのは決まって翌朝です。
そのままシャワーだけ浴び、また仕事に行く毎日が続いていました。
そんな言い方しなくても…
「ねえ裕也、毎日職場に戻ってるよね?仕事、そんなに大変?」
ある朝、ネクタイを締める彼の背中に声をかけました。裕也は鏡越しに、少し苛立ったような、それでいてどこか冷めた目をして答えました。
「プロジェクトが山場なんだよ。子どもの教育費とか考えたら、俺が仕事優先してたほうがいいだろ?」
たしかに子どもにはお金がかかりますし、一生懸命に働いてくれることには感謝しています。でも私の勘は「この人は毎日仕事のために会社に戻っているんじゃない」と感じていました。夫の様子を見るに、なんとなくそう思うのです。

