のんが挑む“究極の男性社会”「MISS KING / ミス・キング」小林Pが語る制作秘話 主人公・国見飛鳥が描く新たな女性ヒーロー像

のんが挑む“究極の男性社会”「MISS KING / ミス・キング」小林Pが語る制作秘話 主人公・国見飛鳥が描く新たな女性ヒーロー像

「MISS KING / ミス・キング」小林宙Pが制作秘話を語る
「MISS KING / ミス・キング」小林宙Pが制作秘話を語る / (C)AbemaTV, Inc.

のんが主演を務める、9月29日(月)夜8:00スタートの新ドラマ「MISS KING / ミス・キング」(ABEMA、全8話)。本作は将棋界を舞台に、天才棋士の父に人生を奪われた主人公・国見飛鳥(のん)が、その深い憎しみから開花させた将棋の才能と、まっすぐに突き進む意志の強さで、自らの人生を取り戻していくヒューマンドラマ。プロデューサー・小林宙氏が番組制作の裏側を語った。

■のん演じる主人公・国見飛鳥に託したこと
日本将棋連盟が2025年9月4日に創立101年を迎えました。その歴史の中で、今まで女性の棋士は誕生していません。そう言うと棋士になる試験などのルールが女性不利ではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、とても公平なルールです。男女の差は試験のルール上存在しません。

脳の構造も男女間の差より個人間の差の方が大きいらしく、また圧倒的に女性の競技人口が少ないなどはあるにしても、100年以上の歴史の中で女性の棋士がいないことは個人的には衝撃の事実でした。公平なルールの中での究極の男性社会が、棋士の世界だと感じました。

その衝撃をどうドラマにしようか。それが『MISS KING / ミス・キング』のドラマ作りの発端です。そして、1人の女性がその究極の男性社会の中で、成り上がっていく姿を描こうと思いました。人間は生きていく上で様々な壁に当たることは誰しもがあります。不可能であると思うこともあるかもしれません。ただそれは、本当は自分の中で線を引いてしまっているんじゃないだろうか。その思いを、私はのんさん演じる主人公・国見飛鳥に託してドラマを描きました。

■「将棋」をどう描くか
準備段階では、まず全体のあらすじを何となく決めて、そして具体的に台本作りをする際にぶち当たった問題があります。それはこのドラマの根幹の1つである「将棋」をどう描くかです。もしかしたら将棋界の方にお叱りを受けるかもしれませんが、「将棋」は認知度は高いが大衆的ではない、というのがこのドラマの責任者である私の認識でした。

「将棋」を知らない人はいないと思いますが、実はルールは分からず、実際に指したことがない人がほとんどではないでしょうか?私は祖父に教わっていたので、駒の動かし方は知っていましたが、もしこのドラマを担当していなかったらもう死ぬまで接することはなかっただろうと思います。

ではその「将棋」をいかにエンタメとして描こうかと思った時に参考にさせていただいたのは、Netflixで配信されている『クイーンズ・ギャンビット』でした。主人公の女性のベスが様々な問題にあたりながら、女性初のチェスの世界チャンピオンになるお話です。名作だと思います。

『MISS KING / ミス・キング』の配信決定について情報解禁をした際に、SNS上では『クイーンズ・ギャンビット』みたいになるのかな、と言及してくださっている方がいて、このような名作と比べてくださったことを嬉しく思っています。

『クイーンズ・ギャンビット』で参考にしたのは、チェスのお話なのにチェスを知らなくても楽しめる作りになっているところです。それが『MISS KING / ミス・キング』を多くの視聴者の方に楽しんでもらえる鍵だと強く思いました。盤面や指し手の意味を理解させるのは難しいので、役者の表情や仕草でそれを伝えて、優勢、劣勢を伝えていく。その上で、何よりも主人公の飛鳥の生き様を応援できるストーリーを作っていく。それはできたと思っています。

■久々の再会となる俳優陣
今回、実は気がついていない俳優さんもたくさんいるかと思うのですが、私にとって久々の再会となる俳優さんが多かったです。のんさんは11年ぶりで、以前は『世にも奇妙な物語』のオムニバスドラマで主演された際にご一緒しました。

当時、タモリさんの出演部分を撮影していた日にのんさんが『世にも奇妙な物語』に出演されることを情報解禁し、そのニュースを見たタモリさんが「この子出てくれるんだ。いいよね」とおっしゃっていたのが僕の中でとても印象深く残っています。それをのんさんにお伝えしたらとても喜んでいました。のんさんは今も昔も魅力的です。

藤木直人さんはまだ私がAP(アシスタントプロデューサー)の時、20年近く前に連ドラなどでご一緒していまして、ほぼ毎日顔を合わせていました。もはや久しぶりという感じはしなかったのですが、そんな藤木さんも11年ぶりでした。しかも、のんさんと同じ回の『世にも奇妙な物語』のオムニバスドラマの1つに主演されていて、個人的には自分が担当したドラマでは間接的に共演していたんだ、と勝手に感慨深くなりました。
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倉科カナさんもそんなに久しぶりな感じがしなかったのですが、なんと12年ぶりでした。12年ってすごいですよね。小学1年生から高校3年生までだよって思いながらご挨拶したら「ご無沙汰してます」と倉科さんに普通に言われて、とても懐かしかったです。
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この仕事のいいところは続けていれば、再会があることだと思っています。当時の関係性のまま、成長した自分たちで新しい挑戦ができる、そういう意味では『MISS KING / ミス・キング』は安心して挑戦できる俳優陣でした。

ちなみに中村獅童さんは、20年以上も前の私が社会人1年目の時に、現場で右も左も分からない助監督(いわゆるAD)の時にご一緒していたのですが…、流石にその話はまだできていないのです。どこかで会った時に話してみようと思っています。どう反応されるか楽しみです。不審者に思われるかもしれません。
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ついに9月29日から第1話が配信されますが、皆さんが見たことがない、のんさんが見られます。”ダークヒーロー”と称され、その世界観ではあるのですが、不可能を可能にしていく太陽のようなのんさんが駆け上がっていくドラマになっています。

「クソみたいな世界、私が変える。」が本作のキャッチコピーにありますが、このドラマを見ていただいた方が、1歩でも前に進み、少しでも上を向けるようになって、自分に諦めない気持ちになっていただければ嬉しいです。
9月29日夜8時から始まる『MISS KING/ミス・キング』、是非ご覧ください。
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