餃子の味付けをめぐるけんかの翌朝、元太は自分の態度を謝りつつも「お母さんの餃子はおいしいから」と譲りません。元太と家族の在り方を考え直したいゆみこは、冷静に自分の気持ちを伝えました。
夫の謝罪
翌朝、元太は気まずそうにしながら、リビングにいる私に話しかけてきました。
「昨日はごめん」
元太の表情から、なんとか私に機嫌を直してほしいという気持ちは伝わってきました。でも、本質的に何がいけなかったかわかっているわけではないようでした。
「お母さんの餃子はうまいからさ、ゆみこも食べて元気出してほしいと思っただけなんだよ」
彼の言葉に、私は静かに言いました。
「お義母さんが料理上手なのはわかってるよ。元太くんがお母さん思いなのもいいことだと思う。
でも私は、元太くんとおなかの子どもと3人の家庭を作っていきたいの。だから、一緒に気に入るレシピを調べる過程から一緒にやりたい」
元太は私の話をじっと聞いていました。そして「わかった」と言い、私の隣に座りました。
2人で初めて作った餃子
私たちは2人で一緒にインターネットでレシピを調べ、自分たちの好みに合いそうなレシピを見つけました。材料を買い出しし、野菜を刻んでこねて、好みの焦げ目になるまで焼いて、私たちなりの餃子が完成したのです。
焼き上がった餃子を一口食べた元太は、目を丸くして言いました。
「……うん、おいしい!めちゃくちゃうまいなこれ」
私の作った餃子は、お義母さんの味とは全く違う味です。でも、私たち夫婦にとってとても特別な味がしました。

