「麗しい…!」誰もが知る祖父&父をもつ“20歳の若手役者”に注目があつまるワケ

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美の化身感が際立つ現代劇

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 雄々しい眉、絵に描いたような切れ長などなど、染五郎の麗しさ、美しさには近寄りがたいほどの神々しさがある。『鬼平犯科帳 本所・花屋敷』冒頭場面で暗い画面の中にあってさえはっきりわかる。同作の画面は染五郎の麗しい魅力をあえてうす闇の中に押し込めることで、その近寄りがたさを強調していた。

 それでいて歌舞伎由来の重厚感が時代劇での武士役のリアリティをきちんと担保する。普段は歌舞伎俳優として多くの歴史上の人物を演じているのだから当然ではあるのだが、歌舞伎と時代劇でのわずかな演技の違いも心得た役作りは目を見張るものがある。

 では、現代劇はどうか。これがまた美しい。むしろ現代劇の方が“美の化身”感が際立つ。ということを証明した問題作がある。美しい重みに釣り合うだけにヘビーな現代劇だ。

 西島秀俊演じる主人公の蝶の研究者・榊史郎が自分の息子を含む6人の美しい少年たちを標本にするという、その名も『人間標本』(Prime Video、2025年)で、染五郎は息子・榊至役を演じる。監督は『ヴァイブレータ』(2003年)などの巨匠・廣木隆一。染五郎の美形を現代劇でも陰影豊かに落とし込む。特に父と子の食卓場面が印象的である。

 至には著名な画家の祖父から受け継いだ画才があり、史郎はそのことを誇りに思っている。食卓場面で祖父の話題がでるとき、染五郎の曽祖父である初代松本白鸚もまた歌舞伎役者でなければ画家になっていたほどの才能だった血脈に思いいたる。

 そして現代の食卓場面で歌舞伎や時代劇のようなメイクを施されていないナチュラルな染五郎を見て、彼の素肌に初めて触れたような新鮮な気持ちがする。

 現代劇の染五郎は生々しい。2026年はこうした現代劇でひと味違う美しさの市川染五郎がもっと見てみたい。

<文/加賀谷健>



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【加賀谷健】
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修

俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu



配信元: 女子SPA!

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