最近、SNS上でいじめや暴行の瞬間を捉えた動画が拡散され、物議を醸しています。
栃木や大分での事例が記憶に新しいですが、こうした動画については「ネット私刑」「別のいじめ」と批判する声がある一方で、「そこまでしないと地獄は終わらない」と一定の理解を示す意見も少なくないようです。
弁護士ドットコムニュースが読者の意見や体験談を募ったところ、動画拡散に頼らざるを得ないほど追い詰められた被害者側の「絶望感」や、学校や警察に対する「不信感」が浮き彫りになりました。
●「警察や弁護士に相談した」SNSに投稿したら学校が動いた
なぜ、名誉毀損などの法的リスクを冒してまで、ネット上に晒すという手段が選ばれるのでしょうか。その背景には「正規の手続きを踏んでも学校は動いてくれない」という不信感があるようです。
岡山県の40代男性は、中学生の娘が突然、同級生らに無視されるようになり、次第に学校を休みがちになりました。男性は娘にスマートフォンを持たせ、いじめてくる人の音声などの証拠を集めたそうです。
そのうえで、警察や弁護士に相談していることを娘の友人らが見ているSNSに投稿したところ、「それまでまったく動かなかった学校が動き、相手の親へもコンタクト。謝罪を受けて一件落着となりました」といいます。
この経験を踏まえて、男性はこう語ります。
「世間はいじめを甘く見てます。子どもや学校の力だけでは、絶対に鎮火しません。国や自治体の対応が不十分な以上、親や大人が強い姿勢で向き合うのが最善策です」
●「昔はSNSはなかった」50代になっても残る傷
同様のエピソードは、ほかの読者からも寄せられました。
大分県の50代男性は、自身も高校時代にいじめを受けた経験があるといいます。「学校や教育委員会は被害者を守ることを基本しない。なぜか加害者側を擁護する場合が多い」と感じてきたといい、「助かるためには動画を公開する以外に道はない」とうったえます。
「拡散されて当然」という声は、女性からも上がりました。愛知県の50代女性は、中学生の頃、先輩の男子生徒から殴られた過去を明かし、こう語ります。
「昔は、今のようにSNSはなかった。今の時代なら、SNSで公開されても仕方がないと思う。それだけ教育機関がダメだからです」
もっとも、こうした動画の公開や拡散には、名誉毀損やプライバシー侵害といった法的リスクも伴います。本来は、被害を受けた子どもや保護者がネットに頼らなくても、学校や教育委員会、警察などの公的な窓口が適切に機能することが前提であるはずです。

