「学校が動かないから晒すしかない」いじめ動画の「拡散」は正義か暴力か…過去の被害者からは反対意見も

「学校が動かないから晒すしかない」いじめ動画の「拡散」は正義か暴力か…過去の被害者からは反対意見も

●「傷に塩を塗る行為」被害者から拡散反対論

ただし、動画の拡散が無条件に称賛されているわけではありません。

過去にいじめを受けていた当事者からは、拡散された映像を見ることで、トラウマがフラッシュバックする危険性を指摘する声も上がりました。

小学校から高校までいじめの対象にされたという40代の人は、動画をネットで拡散することについて「断固反対です」と述べ、次のようにうったえました。

「同じ体験をした人からすれば、思い出したくないことを思い出してしまう、傷に塩を塗るようなものです。現在いじめに遭っている若い子たちが見てしまうと、自殺につながりかねません」

また、大阪府の40代男性は「『他人に暴力を受ける私』の姿を不特定多数の目に晒されること自体が、その人の尊厳を深く傷つけるのではないか」と、別の角度から警鐘を鳴らします。

被害者を救うつもりで拡散した動画が、結果として「デジタルタトゥー」となり、将来にわたって被害者本人を苦しめる可能性もある。そのリスクを孕んでいることは、社会全体でも知っておく必要がありそうです。

提供元

プロフィール画像

弁護士ドットコム

「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。