脂質制限中に食べてはいけないものとは?メディカルドック監修医が脂質制限中の一日の摂取量・脂質の多い食品・少ない食品を解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「脂質制限中に食べてはいけないもの」はご存知ですか?脂質制限に向いていない人も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修管理栄養士:
田中 純子(管理栄養士)
保育園、小学校、特別養護老人ホーム、障害者支援施設で調理・献立作成の経験を経て、現在は総合病院に勤務。NST業務、栄養指導(外来・入院)、治験等に携わっている。
「脂質」とは?

脂質は、炭水化物・たんぱく質と並ぶエネルギー産生栄養素の一つです。脂質は、その構成要素である脂肪酸によって特徴が分かれます。脂肪酸には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」という2つの種類があります。飽和脂肪酸は、肉や乳製品などに多く含まれ、常温で固体となる性質があります。一方、不飽和脂肪酸は、植物油や魚油に多く含まれ、常温では液体の状態を保つのが特徴です。不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸(オリーブ油など)と多価不飽和脂肪酸、更に多価不飽和脂肪酸はn‐6系脂肪酸(大豆油・コーン油など)とn‐3系脂肪酸(魚介類など)に分けられます。n‐6系脂肪酸とn‐3系脂肪酸は体内で合成できないため、食事から摂取する必要がある必須脂肪酸です。
脂質制限中の1日の摂取量

1日の脂質の目標量は、1日に摂取するエネルギーの20~30%です。脂質を制限する場合は、10~15%摂取するのが適切です。日本人の食事摂取基準(2025年版)は、18歳以上の男女の飽和脂肪酸摂取の目標量を総摂取エネルギーの7%相当以下としています。また、総摂取エネルギーを一定にし、5%を飽和脂肪酸から多価不飽和脂肪酸に置き換えることで心筋梗塞疾患の減少が認められています。

