「足りない」の正体は、モノではなく視点だった
インテリアコーディネーターで著者の荒井詩万さんが提示するのは、劇的な変化ではなく、「すでに持っているもの」との関係を見直すという選択。

私も、「何を買い足せば、あか抜けますか?」という相談をいただくことがありますが、実際に足りていないのは“モノ”ではなく、視点や整理の仕方が少し噛み合っていないだけというケースが多いように感じています。
だからこそ本書は、「何かを変えなければ」と焦っている人ほど手に取ってほしい一冊。
今あるものの見え方が変わるだけで、部屋は想像以上に素直に応えてくれます。
専門知識を暮らしの言葉へと翻訳する力

専門的な知見を背景にしながらも親近感ある語り口なのも本書の魅力。
読み手の感覚に寄り添い、ページをめくるたびに「なるほど」と腑に落ちる言葉が用意されています。
そして気づけば思考そのものが整理されていくのです。
それに加えて、とても興味をそそる言い回しも私には印象的でした。
例えば、
・“自分らしさ”はルールのあとにやってくる
・ドアを開けたときに、「まず何が見えるか」ですべての印象が決まる
・“ごちゃごちゃ”と“物足りない”のふたつは、真逆のように見えて、共通点がある
そんな、「どんな理由が隠されているんだろう?」
という仕掛けがたくさん散りばめられています。
また、荒井さんご自身のお仕事を通しての経験談も盛り込まれているので、内容もよりリアルに感じます。

