「血糖値が急上昇した時の症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「血糖値が急上昇した時の症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

血糖値が急上昇した時の症状

血糖値が急上昇すると、以下のような症状が現れることがあります。

強い喉の渇きと多尿

血糖値が高い状態が続くと、体は余分なブドウ糖を尿として排出しようとします。その結果、多尿となり、体内の水分が不足し、強い喉の渇きを感じることがあります。

体重減少と疲れやすさ

血糖値が高くなると、体内でエネルギー源として、ブドウ糖が適切に利用されず、脂肪や筋肉が代わりにエネルギーとして使われます。そのため、体重が減少するだけでなく、いつもより疲れやすくなります。

眠気やだるさ

血糖値が急上昇した後、急激に低下する「反応性低血糖」が起こると、眠気やだるさを感じることがあります。これは、血糖値の急激な変動によって発症します。

腹痛・吐き気

糖尿病ケトアシドーシスでは、「腹痛」や「吐き気」の症状が現れることがあります。これは、インスリンの不足によるものです。脂肪が分解されてできる「ケトン体」という物質が増えすぎると、通常は弱アルカリ性に保たれている身体が酸性に傾く状態(アシドーシス)になります。その結果、このような症状が引き起こされます。

意識障害

血糖値が著明に高くなり、飲む水の量が足りないと脱水が高度になります。すると、「高浸透圧高血糖症候群(HHS)」が起こってしまう場合もあります。この病気では、意識がもうろうとし、場合によっては昏睡状態に陥ったりするなどの意識障害が起こることがあります。
糖尿病性ケトアシドーシスは、主に1型糖尿病患者に多く見られ、インスリンの不足によりケトン体が過剰に産生されることで発症します。こちらでも、重症な場合では昏睡状態になってしまうことがあります。一方、高浸透圧高血糖症候群は、主に2型糖尿病患者に多く見られ、極度の高血糖と脱水症状が特徴です。
以下の症状が現れた場合は、緊急性が高いため、すぐに医療機関を受診して下さい。

・意識がもうろうとしている
・激しい腹痛や嘔吐がある
・呼吸が苦しい
・極度の脱水症状(口の渇き、皮膚の乾燥、尿量の減少または無尿)

早期の適切な対応が、命を守るために重要です。

「血糖値が急上昇した時の症状」についてよくある質問

ここまで血糖値が急上昇した時の症状について紹介しました。ここでは「血糖値が急上昇した時の症状」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

血糖値が400以上になるとどんな症状が現れますか?

木村 香菜 医師

血糖値が400mg/dL以上になっている場合、1型糖尿病では「糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)」、2型糖尿病特に高齢者の場合では「高浸透圧高血糖症候群(HHS)」に陥っている可能性があります。
糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)では、激しい腹痛や吐き気、呼吸が苦しくなるといった症状が現れることがあります。これは、インスリン不足によって脂肪が過剰に分解され、「ケトン体」が血液中に増加することで、体が酸性に傾くためです。また、重症化すると意識がもうろうとし、場合によっては意識を失うこともあります。
一方、高浸透圧高血糖症候群(HHS)は、極度の高血糖と脱水を特徴とする状態で、血糖値は600mg/dL以上になることもあります。強い喉の渇きや大量の水分摂取、多尿、体重の急激な減少などの症状がみられ、重症化すると意識障害も引き起こすことがあります。HHSは数日から数週間かけて徐々に進行し、特に高齢者では重篤化しやすいため注意が必要です。
意識障害や呼吸困難がある場合は、命に関わる可能性があるため、ただちに救急車を呼ぶか、医療機関を受診してください。

配信元: Medical DOC

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