真夏の強烈な猛暑が少し落ち着いて、エンタメ界にもやっと秋が来ている。その証拠に、今秋スタートの連続ドラマには、集中してストーリーを楽しめて、少しぶっ飛んだ作品の世界に没頭できるような“じっくり視聴型”ドラマが顔を揃えた。ほっこりと日常を描く、ゆるやかなホームドラマなどの真逆をいくようなドキドキ、ヒヤヒヤ、スリリングなテーマがずらり。ぜひ日常を忘れるほど、秋の夜長のお供にしながら視聴してほしい。厳選した4作品を紹介していこう。
■のん演じる主人公が父親への怒りを胸に女性棋士を目指す「MISS KING /ミス・キング」
9月29日(月)夜8:00スタートの新ドラマ「MISS KING / ミス・キング」(ABEMA、全8話)は、のん演じる主人公・国見飛鳥が逆境に立ち向かう生き様を美しく力強く描いた、日本の伝統文化×本格ヒューマンドラマ。天才棋士の父に人生を奪われた飛鳥が、その深い憎しみから開花させた将棋の才能と、まっすぐに突き進む意志の強さで、自らの人生を取り戻していく。のんにとっては、かつてないほど影のある役への挑戦となる。抑えきれない怒りを胸に“盤上で戦うダークヒーロー”を演じ、新しいのんの姿を見ることができるだろう。
幼い飛鳥を捨てた天才棋士の父・結城彰一役を中村獅童、そして飛鳥が1人で復讐を仕掛けようとしていた時に出会う、同じく彰一に深い恨みを抱く元棋士・藤堂役を藤木直人が演じる。同じ傷を背負った飛鳥と藤堂の2人が、“彰一との対局で勝つ”という唯一の殺し方を実現させるため日本で前例のない“女性棋士”を目指し、人生のどん底から盤上で這い上がっていく様子にゾクゾクさせられるだろう。
■日本連ドラ史上初・水上警察を舞台にしたドラマ「新東京水上警察」
10月7日(火)より始まるフジテレビの火9ドラマ枠は、佐藤隆太主演の「新東京水上警察」(毎週火夜9:00-9:54、フジテレビ系 ※初回は夜9:00-10:09)。日本の連ドラ史上初の“水上警察”を題材にし、佐藤演じる刑事・碇拓真と水上警察署のチームが、東京の海や川を警備艇で駆け巡り事件を追う、大迫力のマリン×クライムエンターテインメント。船や海のシーンが圧倒的なスケールで描かれ、犯人の船を追いかけるドキドキのシーチェイス、息をのむ海上アクションなど、警察ドラマの常識を超えた迫力が期待される。
警視庁の海技職員・有馬礼子役を演じる山下美月が、同作の撮影のために一級船舶免許を取得したことも話題に。海を相手にしながらの気合いが入った撮影が進んでいる。
■人間と競走馬の20年間を描く「ザ・ロイヤルファミリー」
10月12日(日)スタートの日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系 ※初回15分拡大)は、妻夫木聡主演で多くの人々を熱狂させる競馬の世界を描く。山本周五郎賞やJRA賞馬事文化賞を受賞した早見和真の同名小説が原作の同作は、ひたすら夢を追い続けた熱き大人たちが、家族や仲間との絆で奇跡を起こしていく、人間と競走馬の20年にわたる壮大な物語。
大手税理士法人に勤める税理士・栗須栄治(妻夫木)が主人公。栗須が挫折を味わい希望を見出せなくなったときに、馬主の山王耕造(佐藤浩市)と出会い、人生が大きく動き始める。ほかにも物語の鍵を握る重要な役どころを目黒蓮、栗須の元恋人・加奈子役で松本若菜、耕造の宿命のライバル・椎名役を沢村一樹、耕造の妻・京子役を黒木瞳、耕造の息子・優太郎役を小泉孝太郎といった個性派キャストが出演する。JRAの全面協力による迫力満点の映像も楽しめそう。第1話にはスペシャルゲストとして日本競馬界のレジェンド・武豊が本人役で出演する。
■人質の社長令嬢と誘拐犯の奇妙な逃避行「ESCAPEそれは誘拐のはずだった」
10月8日(水)スタートの桜田ひよりと佐野勇斗がW主演を務める「ESCAPE それは誘拐のはずだった」(毎週水曜夜10:00-11:00、日本テレビ系)は、大企業の社長令嬢・八神結以(通称ハチ／桜田)と彼女を誘拐した犯人グループに所属する前科者の青年・林田大介(通称リンダ／佐野)が手を組み、日本中に注目される逃亡劇へと発展していくノンストップヒューマンサスペンス。
20歳のバースデーパーティーの日に、八神製薬社長の一人娘・結以が誘拐される。しかし計画は失敗に終わり、犯人の一人・林田は呆然と立ちすくむ。ところが人質のはずの結以が「私と一緒に逃げて！」と言い出し、林田との奇妙な逃避行が始まる。彼女はなぜ逃げることを選んだのか。何から逃げようとしているのか。実は彼女には、隠されたある”秘密”があった。八神製薬の2代目社長・慶志役を北村一輝、結以を監視するお目付け役・万代をファーストサマーウイカが演じ、結以と林田の逃亡劇は一筋縄ではいかない予感…。結以の秘密が明らかになるにつれ、ハラハラが増すこと間違いなしだ。
