そんな悩みを抱える人から支持されているのが、“靴下の岡本”で有名な岡本株式会社が販売する「まるでこたつソックス」。その名の通り、まるでこたつに入っているかのような暖かさを提供する、室内用の靴下だ。
2015年に発売され、2025年3月時点でシリーズ累計販売足数1600万足を突破した大ヒット商品だが、売り上げが急成長したのはここ数年のことだという。一体、どんな要因でここまでのヒットにいたったのだろうか。今回は、岡本株式会社(以下、岡本) 靴下サプリ ブランドマネージャーの青柳一輝さんに話を聞いた。

■職人気質から脱却し、ユーザー目線のものづくりへ
「まるでこたつソックス」の開発がスタートしたのは2008年のこと。青柳さんは「靴下業界はものづくり視点の強い業界で、岡本でも、上質な靴下を作ることにこだわり続けていました。しかし、売り上げが伸び悩んだ際に『靴下にできることは何か?』をあらためて考え、ユーザーの立場になって商品開発をするようになったんです。そこからは、ユーザーの悩みを解消するための商品づくりを心掛けています。『まるでこたつソックス』で言うと“冷え”ですね」と、開発のきっかけを教えてくれた。

これだけ聞くと開発から発売まで7年もの年月をかけているように思うが、「まるでこたつソックス」は、実は2013年に「三陰交をあたためるソックス」という名前で販売されている。
「『三陰交をあたためるソックス』の販売は、カタログ販売や総合スーパーなどで行い、もともとシニア向けの商品だったんです。その後に販売した『まるでこたつソックス』は、当初は末端冷え性に悩む女性がターゲットで、名前とパッケージをよりキャッチーなものにしています。販路もバラエティショップへと変更。ガラッと変化を加えているように見えますが、靴下自体のクオリティは変えていません。このように、ヒットの理由はいくつかありますが、やはり『こたつ』という、誰でも知っていて暖かさを想像しやすい名前を付けた点が大きいと思います」

発売後はじわじわと売り上げを伸ばし、2021年からはテレビCMも展開。いきなり大ヒット!というわけではなかったが、SNSの発展とともに口コミが広まり、それが売り上げの急成長へとつながったそうだ。
しかし、“こたつのように暖かい靴下”と聞くとやや懐疑的になってしまうもの。さらに「まるでこたつソックス」はパッケージから中身がわからないため、「本当に暖かいのか?」と思う人も多いはずだ。
青柳さんは「その点については、SNSで注目される前からのユーザーのレビューが鍵になったと感じています。効果を疑った人たちが蓄積されたレビューを見て購入を決める、といった流れを作ることができました」と話す。
ユーザーの声に助けられながらシリーズ累計販売足数1600万足を突破し、冬のマストアイテムとしての地位を確立し始めた「まるでこたつソックス」。今では、他社から類似品が続々と発売されるほどの人気商品となった。

■暖かさの秘密は温熱刺激と部位ごとに異なる生地
実は筆者も2024年から「まるでこたつソックス」を愛用しており、コンクリート打ちっぱなしの暖まりにくい自宅の中で今まさに大活躍中。“履くだけ”という気軽さと確かな暖かさ、ルームシューズのように履ける分厚さがお気に入りだ。
では、なぜ靴下を履くだけでこんなに温まれるのか。青柳さんはその秘密を教えてくれた。
「前身となる商品にも名づけられていた、『三陰交』という足首の内側にあるツボを温熱刺激することで、足先から体を温める構造になっています。全体ではなく三陰交が当たる部分にだけ発熱素材を使用していて、ピンポイントで温められるのが特徴ですね。お灸をイメージしてもらうとわかりやすいと思います」

生地にも並々ならぬこだわりが。三陰交部分の発熱素材のほか、“第二の心臓”と言われるふくらはぎ部分には太いリブ編みの保温素材、足部分には分厚いパイル編みを採用している。三陰交から熱で刺激を加え、保温する、という仕組みだ。「冷えは根っこから解消しないと意味がないので、“体の内側から温める”という点がとても重要です」と青柳さん。

また、全体的にゆったりとしたつくりで、くしゅくしゅっとかわいらしく履けるデザイン性の高さも魅力。平成ブームで再燃中のルーズソックス風のデザインに、若者のファンも増えてきているそうだ。

■寝るときに靴下を履いてはいけない理由
「まるでこたつソックス」は、岡本の商品群では「靴下サプリ」ブランドに分類され、その中には冷えによる眠りの浅さを解消する「おやすみスイッチ」というものがある。

部屋用の「まるでこたつソックス」に対し、「おやすみスイッチ」は就寝用。どちらも足先の冷えにアプローチするアイテムだが、どのような違いがあるのだろうか。
「『寝るときに靴下を履いてはいけない』と聞いたことはありませんか?つま先を覆う従来の靴下を履いて寝ると、深部体温が下がらず、心地よい入眠の邪魔をしてしまうんです。なので、『おやすみスイッチ』には『つま先オープン設計』を採用し、体にこもった熱の放出をサポートするようになっています」

ここで疑問が。筆者も冷えに悩む人間の一人で、「つま先が冷たくて眠れない」ということがよくある。もちろん「寝るときに靴下を履いてはいけない」ということはわかっているが、それでも靴下を履きたくなってしまう。就寝用の靴下にもかかわらず、つま先に布がない「おやすみスイッチ」では、結局入眠に時間がかかってしまうのでは?
「ご安心ください。『おやすみスイッチ』は、血管が集中する足裏部分に二重構造の発熱素材を採用しています。足裏から足先まで温まるようになっているんです。しかし、その熱を溜めたままにせず発散もできるため、深部体温が下がり、入眠しやすい…という仕組みです。心配されている『結局つま先が温まらない』ということはないと思います。また、かかとにある『失眠』というリラックスに大切なツボ部分にも発熱素材を使用しており、『まるでこたつソックス』と同様に温熱刺激を与えます」
どうしても就寝時の冷えが気になる人は、部屋用の「まるでこたつソックス」を寝る直前まで履き、布団に入るタイミングで「おやすみスイッチ」に履き替える、という使い分けをするとよさそうだ。

■性別問わず、人々を足元から幸せに
実は「まるでこたつソックス」「おやすみスイッチ」ともに、男性向けの商品も展開されている。どちらも女性向けのものから少しあとに発売された。
「調査した結果、女性ほどではありませんが、その半数くらいの男性が冷えに悩んでいることがわかりました。女性同士は『今日冷えるね』『これが暖かくておすすめだよ』と話すことが多く、『靴下サプリ』ブランドを知ってもらうきっかけもたくさんあるのですが、男性は日常的に『冷えるね』と言い合わないんですね(笑)。なので、女性からのプレゼントで本ブランドを知った方が多いようです」
「中身が見えない、まるでサプリメントのようなきちんとしたパッケージ」という要素も、プレゼントとして選ばれる理由なのだとか。なお、女性向けと男性向けの違いは価格とカラーバリエーション、サイズのみ。効果は同じなので、性別問わず足のサイズで選ぶことができる。


最後に、青柳さんに今後の展望を聞いた。
「当社は『足もとから、ひとりひとりの幸せを共に創る』というビジョンを掲げていて、それを体現するのが『靴下サプリ』ブランドだと思っています。今後もみなさんの健康に少しでも寄与できるよう、ユーザーの声に寄り添った商品開発を続けていきたいです」
圧倒的な技術を持ちながら、ユーザーの悩みを一番に考えることも忘れない岡本。「まるでこたつソックス」をはじめとした「靴下サプリ」ブランドが、本当のサプリメントのように生活に欠かせないものになる日も近いかもしれない。
取材・文・撮影=ウォーカープラス編集部
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