日本ワインの伝え手と
日本ワイン文化の醸成

桒原 自分のワインを販売するようになって、伝え手や飲み手の存在の大切さをすごく感じるようになりました。酒販店や飲食店の方、そして飲んでくださる方がいて、初めてワインが収入に結びつく。さらに、伝え手や飲み手の皆さんからのフィードバックがあるから、辛いことも乗り越えられるんです。
ブルース そうだね。20年前は日本ワインは見向きもされなかったでも10年前頃から風向きが変わってきて、最近では、星付きのレストランが日本ワインに興味を持ってくれるようになりました。私たちはそのチャンスをもっと活かさなければいけない。そして、海外のワインしか飲まない人たちや若い人たちにも日本ワインに目を向けてほしいです。
桒原 長野県では、最近になって日本ワインを取り扱ってくださるお店が増えて、日本ワインと料理を一緒に楽しめるようになってきました。例えば、小諸の「チッタスロー」では、長野の食材を使ったピザと日本ワインが楽しめます。以前、フランスで体験したような、食とワインが結びついた食文化が今後育まれていくといいなと思っています。
ブルース 私は先日、東北最古のワイナリーでもある山形県の酒井ワイナリーの酒井一平さんと話す機会があったんです。山形県にはブドウ栽培や農業の歴史、そして、郷土料理の歴史が、地域にしっかりと息づい
ていることに感動しました。同県の「出羽屋」という旅館で、食事とワインを味わったのですが、地元の食材、地元に伝わる料理をベースに考えられたすばらしい料理の数々が生み出されていて。日本の各地でそうした食とワインの文化が根付いたら、素晴らしいことだと思います。これこそが日本のワイン文化ですね。
対談が終わり、別れ際に「今日はここに来られて良かった。期待しています」と声をかけたブルースさん。桒原さんは目に涙を滲ませ、2人は固く抱き合いました。
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