頭部打撲後に要注意! 「側頭骨骨折」で起こりやすい症状と合併症を医師に聞く

頭部打撲後に要注意! 「側頭骨骨折」で起こりやすい症状と合併症を医師に聞く

側頭骨骨折の治療

側頭骨骨折の治療では、まず骨がずれないように骨折部を固定し、安静にして骨がくっつくように促します。また、側頭骨骨折に伴う合併症の治療が重要です。とくに衝撃によるクモ膜下出血や脳挫傷は命に関わるため、出血を取り除くための開頭手術をおこないます。

側頭骨骨折後の難聴では、耳小骨の損傷があるかどうかが重要です。CTによって耳小骨の損傷がない場合には、鼓室内出血などが原因となる一過性の難聴であるため、経過観察となることが一般的です。
耳小骨の損傷を伴う難聴は自然治癒が難しいため、耳小骨を修復する手術を検討します。

側頭骨骨折後の顔面神経麻痺に対しては、縦骨折による遅発性顔面神経麻痺に対して投薬による保存療法が適応です。投薬治療と並行して顔面の筋肉を使うリハビリテーションをおこなえば、後遺症が残りにくいと考えられています。

横骨折による急性の顔面神経麻痺に対しては、手術適応となります。手術は顔面神経が切断している場合には顔面神経の再建術が、骨折で骨の破片が顔面神経を圧迫している場合には骨の破片を取り除く除圧術が検討されます。

側頭骨骨折になりやすい人・予防の方法

側頭骨骨折は飲酒関連事故や交通事故、転倒や転落、スポーツ中の事故による発症が多い骨折です。そのため、飲酒をする人や車によく乗る人、転倒しやすい人、高所作業が多い人、激しい接触が多いスポーツをする人が発症しやすいといえるでしょう。
また、骨粗鬆症など骨が脆い人は小さな衝撃でも骨折しやすいため注意してください。

予防するためには、頭部への衝撃を避けることが重要です。飲酒はほどほどにして酔いすぎないようにする、安全運転を心がける、転倒しないように杖を使う、高所作業時には命綱を必ずつけるなどの対策を徹底しましょう。

また、骨粗鬆症の治療も大切です。骨粗鬆症に対する薬やビタミンDの摂取、適度な運動を心がけ、骨を強くすれば側頭骨骨折予防につながります。


関連する病気

クモ膜下出血脳挫傷

耳小骨損傷

顔面神経麻痺骨粗鬆症

参考文献

尾尻博也 側頭骨骨折の画像所見と臨床 耳典 52巻 6号 2009

小泉博美 et al 側頭骨骨折の臨床的検討 Otol Jpn 25巻 5号 2015

福角隆仁 et al 側頭骨骨折により発症した外傷性顔面神経麻痺の治療ー中頭蓋窩アプローチを併用した顔面神経管開放術ーOtol Jpn 19巻 2号 2009

一般社団法人 日本頭蓋顎顔面外科学会 顔面神経麻痺

配信元: Medical DOC

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