夫が守ってくれていたもの
私は物理的な家の汚れしか見ていませんでしたが、夫は息子の心を曇らせないという、もっと大切で難しい役目をしっかり果たしてくれていたのです。
私が何も言えずにいると、夫は「本当にごめん」と言って掃除道具を手に取りました。
私はそれを慌てて止め、「待って。掃除は後でいいよ。それより、ありがとうね。あなたが守ってくれたのは、家じゃなくて、この子の心だったんだね」と伝えました。
本当に大切なこと
驚いた顔でこちらを見る夫と、無邪気に笑う息子。
入院で張り詰めていた気持ちが、ようやく解けていくのを感じました。
その後、留守中のことを話しながら3人で仲良く掃除をすることに。
たとえ散らかっていても、家族が笑顔でいられるこの場所が、世界一大切な我が家なのだと、心から思いました。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2025年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

