「風呂上がりの血圧」はどうなるかご存知ですか?”ヒートショック含むリスク”も医師が解説!

「風呂上がりの血圧」はどうなるかご存知ですか?”ヒートショック含むリスク”も医師が解説!

風呂上がりの血圧はどうなるかご存知ですか?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。

伊藤 陽子

監修医師:
伊藤 陽子(医師)

浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。

お風呂と血圧の関係性は?

お風呂に入る際の血圧の変動について解説いたします。

入浴で血圧が変動する仕組み

入浴時の血圧などの変動について下に示します。

段階 血圧の変化 変化する理由

1:寒い脱衣所・浴室へ入る 上がる 体温を保つために体が血管を収縮させるから

2:湯船につかる 上がる ・体が温まる刺激によって、交感神経が活性化するから
・水圧によって血管に圧力がかかるから

3:湯船につかり続ける 下がる ・体が持続的に温まり、血管が広がるから
・交感神経のはたらきがゆるやかになるから

4:湯船から出る 上がる/下がる ・上がる:温かい湯船から出て気温が大きく下がるから
・下がる:水圧が無くなり、血管が広がるから

とくに冬は部屋と脱衣室・浴室の温度差が大きいため、血圧の変動も大きくなりがちです。

お湯の温度や入浴時間は血圧に影響を与える?

お湯の温度と入浴時間が、血圧に影響する可能性はあります。
たとえば、熱い湯船(42℃以上が目安)は交感神経を強く刺激して血管を収縮させやすいため、血圧も上がりやすくなります。また、長すぎる入浴時間が心臓に負担をかけ、血圧の変動に影響する可能性もあるでしょう。
年配の方や高血圧のある方は、血圧の変動が起こりやすいため注意が必要です。

風呂上がりに血圧はどのくらい下がる?

風呂上がりの血圧は、一時的に下がるケースが多く見られます。ここでは、具体的な低下の目安や個人差について解説します。

入浴後は一般的にどのくらい血圧が下がる?

入浴後の血圧変動については個人差があり、「一般的にこのくらい下がる」と医学的に断言することは困難です。
入浴後に収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ:上の血圧)が一時的に15~30mmHgほど下がったという調査報告があります。
この報告のみで血圧の変動を断言することはできません。基本的には年齢や体質によって異なり、個人差があると考えておきましょう。

入浴前後の血圧の変動に体調・年齢による差はある?

基本的に、若い方よりも高齢者のほうが、大きく血圧が変動する傾向があります。高齢者の方が動脈硬化が強く血管の伸展性の低下があり、入浴によって体温が上がった際に血圧のバランスをとる機能も落ちていることが影響している可能性が考えられます。
また、血圧をコントロールする交感神経は、体調によってもバランスが変化します。疲労が溜まっている時や睡眠不足の時は交感神経と副交感神経のバランスが崩れやすいため、通常と血圧の変動に違いが出る可能性は考えられるでしょう。

風呂上がりに血圧が下がりすぎる・低血圧になる場合は?

風呂上がりに低血圧になると、脳への血流が一時的に不足してふらつきや気持ち悪さ、意識の消失などが起こる可能性が考えられます。風呂から上がって直後に収縮期血圧が約30mmHg下がることもあり、これは立ち上がった時に血圧が急激に下がる「起立性低血圧」と似た状態です。
年齢が上がると風呂上がりの血圧変動が大きくなるため、立ち上がった際にふらついて転倒したり、湯船で倒れた際におぼれたりするリスクが高まります。風呂上がりに不調を感じたら、無理に動かずにその場でゆっくりと座って休むようにしましょう。浴室に「呼び出しボタン」があれば、ご家族の助けを呼ぶのもよい方法です。

配信元: Medical DOC

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