「風呂上がりの血圧」はどうなるかご存知ですか?”ヒートショック含むリスク”も医師が解説!

「風呂上がりの血圧」はどうなるかご存知ですか?”ヒートショック含むリスク”も医師が解説!

入浴と「血圧」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、入浴と「血圧」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

起立性低血圧

起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)は、横になったもしくは座った状態から急に立ち上がったときに血圧が低下して、脳の血流が不足する状態です。「脳貧血」とも呼ばれますが、体内の鉄分の不足によって起こる貧血とは関係なく、別の問題です。
風呂上がりに湯船から立ち上がるときは、以下2つの理由により起立性低血圧が起こりやすくなっています。

体にかかっていた水圧が無くなり、今までお湯に浸かっていた下半身に血液が移動するため

入浴によって血管が広がり、血圧が下がっているため

主な症状はめまいや立ちくらみ、気持ち悪さ、意識の消失などです。
めまいを感じたらすぐに低い姿勢をとり、頭を下げて安静にします。浴室で転倒すると硬い床で頭を打ったり、浴槽でおぼれたりする可能性があるため、危険です。
入浴のたびに症状が出る方は、速やかに内科や循環器内科を受診しましょう。

ヒートショック

ヒートショックは、温度が急にかわることで血圧が大きく乱れ、心臓や血管がダメージを受ける現象です。心臓や血管がダメージを受けると心筋梗塞や脳卒中などの重い病気になるリスクが高まるため注意が必要です。
ヒートショックを防ぐには、脱衣所や浴室を事前に温め、温度差をできるだけ減らしていきます。暖房を使う、入浴前にシャワーを出しっぱなしにする、服を脱ぐ前に湯船の蓋をあけておくなどして、温度差の起こりやすい浴室や脱衣所をあらかじめ温めるようにしましょう。
服を脱いだり浴室に入ったりしたときに激しい頭痛や胸痛、意識障害があらわれた場合は、心臓や脳に問題が起きている可能性があります。すぐに救急車を呼び、設備の整った医療機関で処置を受けましょう。

心筋梗塞

心筋梗塞(急性心筋梗塞)は、心臓の筋肉に酸素を送る太い動脈が完全に詰まって酸素や栄養が届かなくなり、心筋が壊死する病気です。代表的な症状は、胸が締め付けられるような激しい痛み、冷や汗、吐き気などです。
心筋梗塞は、血圧の急激な変動があると起こりやすくなります。入浴時は脱衣所や浴室に入った際と湯船に入った直後のタイミングで血圧が急激に上がりやすいため、心筋梗塞が起こりやすいのです。
もし心筋梗塞が起きた場合、一刻も早く血流を回復させる手術をする必要があります。疑わしい症状がある場合は迷わず救急車を呼び、設備の整った医療機関を受診しましょう。

狭心症

狭心症は、動脈硬化によって狭くなった心臓の血管に負担がかかることによって心臓に栄養が足りなくなり、胸の痛みを感じる病気です。部屋とお風呂場の温度差や熱すぎるお風呂などは心臓に負担をかけ、狭心症の発作を起こす要因となります。
安静にしたり、発作を抑える薬を使ったりすると症状は治まりますが、心臓の状態を悪化させないように血圧やコレステロールを適切な数値にコントロールする治療も欠かせません。
初めて胸の痛みが出た、入浴のたびに胸が苦しくなるなどの場合は、循環器内科を受診しましょう。安静にしていても痛みが続く場合は急性心筋梗塞の可能性もあるため、すぐに救急外来を受診してください。

脳出血

脳出血は、脳の中にある血管が破れて出血し、その周りの脳細胞が破壊される病気です。高血圧によって起こるケースが多く、入浴に関係する急な血圧の上昇は、脳出血を起こす原因となり得ます。脳出血が起こると、突然の激しい頭痛や嘔吐、片側の手足の麻痺、言葉が出ないなどの症状があらわれます。出血した場所や出血量によっては、意識を失うこともあります。
医療機関では、血圧管理や脳の腫れの予防、場合によっては脳を圧迫する血腫を取り除く手術などをおこないますが、後遺症が残るケースも少なくありません。気になる症状があらわれたらすぐに救急車を呼び、専門的な治療ができる脳神経外科を受診しましょう。

くも膜下出血

くも膜下出血は、頭蓋骨と脳の間にある「くも膜」という部分に出血が起こる病気です。脳の表面にある動脈瘤(どうみゃくりゅう)というコブの破裂によって起こることが多いです。入浴時の急激な血圧の上習は、脳出血や心筋梗塞などと同様に、くも膜下出血のリスクも上昇させます。
くも膜下出血が起こると、「バットで殴られたような」「今までに経験したことのないような」などと言われる突然の激しい頭痛や嘔吐、意識消失があらわれます。
放置すると出血によって脳細胞が壊死していくため、再破裂を防ぐための緊急手術が必要です。気になる症状が出た場合は、すぐに救急車を呼び、設備の整った脳神経外科を受診しましょう。

腎不全

腎不全は、腎臓の機能が低下して老廃物を排出できなくなり、体内に不要なものや必要以上の水分が溜まる病気です。
脱水は急性腎不全の原因となる事もあるため、注意が必要です。また、慢性腎不全の方では高血圧の合併をしやすく、入浴前後での血圧の変動をきたしやすいため、気をつけなければなりません。
腎不全の代表的な症状は、尿量の減少、むくみ、倦怠感などです。医療機関では、腎不全に至った原因を取り除く治療や、場合によっては不足した腎機能を助けるために「透析」をおこないます。むくみや尿量の変化が見られる場合は、腎臓内科を受診しましょう。

入浴時の血圧変動を抑えるコツとは?

低血圧の人が入浴前後の血圧変動を抑えるコツ

低血圧の方は、入浴で血圧が下がると、起立性低血圧によるふらつきが起こりやすくなる可能性があります。そのため、下のポイントを意識してみましょう。

38~41℃と、ややぬるめのお風呂にする

水圧による負担を減らすため、半身浴にする

浴槽からはゆっくり立ち上がる

これらの対策をおこない、立ちくらみや意識消失のリスクを減らしていきましょう。

高血圧の人が入浴前後の血圧変動を抑えるコツ

高血圧の方の血圧の急激な変化は脳や心臓の負担となり、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などのリスクを高めます。また、低血圧の方と同様に起立性低血圧が起こるリスクもあるため、血圧の上昇、下降両方を防ぐよう注意が必要です。
注意したいポイントは、以下のとおりです。

脱衣所や浴室をあらかじめ温めて、温度差を減らす

かけ湯をして、温かいお湯に体を慣らしてから入浴する

38~41℃と、ややぬるめのお風呂にする

水圧による負担を減らすため、半身浴にする

浴槽からはゆっくり立ち上がる

大きな温度変化や脱水は避け、脳や心臓への負担を減らすように心がけましょう。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。