臀部慢性膿皮症の治療
臀部慢性膿皮症の主な治療は、手術による病変の切除や植皮です。
症状の程度によっては、抗菌成分入りの外用薬や内服薬の使用で症状が軽快する場合もありますが、根治には至らず症状を繰り返すことも少なくありません。
病変部位が大きく、おしりのみでなく会陰にまで及ぶ皮膚移植をした場合、手術部位が尿や便によって汚染し、移植した皮膚が定着せず治療が難航するケースもあります。
そのため、治療と並行して皮膚への刺激を最小限に抑えるための適切なスキンケア方法や、摩擦や湿潤を減らすための体重管理などについての指導もおこないます。
とくに喫煙は症状を悪化させる大きな要因となるため、禁煙指導は欠かせません。
近年、臀部慢性膿皮症などの化膿性汗腺炎の治療薬として「生物学的製剤」が承認されました。
生物学的製剤とは特定の分子のみを標的にして働く薬剤で、重症例に対する新たな選択肢となっています。
臀部慢性膿皮症になりやすい人・予防の方法
臀部慢性膿皮症は40代の男性に多いとされています。また家族歴がある人は発症リスクが高まることも知られています。
出典:日本皮膚科学会ガイドライン「化膿性汗腺炎診療の手引き2020」
他にも生活習慣に関連する要因として、喫煙習慣がある人や肥満の人は注意が必要です。
たばこに含まれる有害物質の影響により血流が悪化し、症状の発症や悪化のリスクを高めます。
また、肥満による皮膚同士の摩擦や湿潤も、症状の発症や悪化につながる可能性があります。
これらを踏まえた予防法として、第一に適切なスキンケアが重要です。日ごろから過度な摩擦や刺激は避け、清潔を保てるよう優しく丁寧にケアすることを心がけましょう。
また、禁煙や適正体重の維持など、生活習慣の改善も予防に効果的です。通気性の良い下着を着用し、汗をかいた後はすぐに着替えることなども予防に役立ちます。
臀部慢性膿皮症の家族歴がある場合など、発症リスクが高い人は定期的に皮膚の状態を観察し、少しでも変化に気付いた場合はできるだけ早く医療機関を受診しましょう。
関連する病気
化膿性汗腺炎有棘細胞癌
糖尿病壊疽性膿皮症
参考文献
日本皮膚科学会ガイドライン「化膿性汗腺炎診療の手引き2020」
日本皮膚科学会「化膿性汗腺炎におけるアダリムマブの使用上の注意/
化膿性汗腺炎の診療の手引き」

