食事と運動で始める予防と対策
編集部
食事療法は具体的にどのようにしたらよいですか?
團先生
糖質は体に必要な栄養素なので、極端に避ける必要はありません。ただし、ご飯などの炭水化物を単独で食べるのではなく、必ずおかずと一緒に摂ることが大切です。食事は20分以上かけ、最初にタンパク質や野菜から食べ始めると血糖値の上昇をゆるやかにできます。また、食事を抜かないことも重要です。特に朝食はしっかりと摂りましょう。カロリーよりも、食べ方や内容・時間を意識することが、食事療法の基本です。
編集部
では、運動療法は具体的にどのようにしたらよいですか。
團先生
運動は特別なことを始めなくても構いません。まずは「軽くてもよいので毎日続ける」ことが大切です。例えば、自宅でできる簡単な筋力トレーニングを生活の中に取り入れてみましょう。トイレに行った際にスクワットを数回する、壁を押して腕や脚の筋肉を使うなど、ちょっとした動作でも十分効果があります。外に出て散歩やウォーキングをする場合は、少し早足を意識するだけで運動効果が高まります。どんな運動でも「やって損はない」と考えて、無理のない範囲で習慣にしていくことが大切です。
編集部
糖尿病予備軍と言われている人が「すぐ受診すべき症状」というのはありますか?
團先生
特に症状はありません。重複しますが、「糖尿病予備軍」と言われた時点で、できるだけ早めに受診してもらうのが大切です。なぜなら、糖尿病以外にも高血圧や動脈硬化といった生活習慣病が隠れていることが少なくないからです。もし治療が必要であれば早期に開始できますし、治療にいたらなかったとしても、食事や運動の工夫など具体的な生活改善のアドバイスを受けられます。つまり「症状が出てから」ではなく、「予備軍と指摘されたとき」こそ受診のタイミングです。
編集部
最後に読者へのメッセージをお願いします。
團先生
糖尿病予備軍について説明しましたが、それ以外についても「特に指摘を受けていないから大丈夫」と思い込むのは危険です。健康診断で数値が基準内だったとしても、本当は注意が必要なケースもあります。具体的にいうと、糖尿病予備軍だと基準値内であっても対策が必要な場合があるLDLや、きちんと状態を評価するためには数値に体重補正が必要なクレアチニンなどがそれに当たります。「まだ大丈夫」と放置せず、一度医療機関に相談してもらうことが、将来の大きな病気を防ぐ第一歩になります。
編集部まとめ
糖尿病予備軍は「まだ病気ではない」と軽く考えられがちですが、すでに病気が発症しつつある状態なのだそうです。放置すると糖尿病に進み、合併症のリスクも高まります。生活習慣の改善で予防できる可能性がある段階だからこそ、血糖値を指摘された人は放置せず、早めに受診や生活改善を始めることを強くおすすめします。

