脳幹出血で寝たきりになった場合の余命
脳幹出血で重い後遺症が残り寝たきりになった場合、健康な方に比べて寿命は短くなる傾向があります。
脳卒中全体のデータでは、重度要介護状態(寝たきり)の方の平均余命は、50代で約7~9年、60代で約5~7年、70代で約3~5年、80代で約2~3年です。
脳幹出血でも、寝たきりになるほどの重症例では、誤嚥性肺炎や尿路感染症などの合併症リスクが高く、平均より短い余命となる傾向があり、完治は極めて困難です。
脳幹の重度障害により、自力で起き上がれず、意思疎通が難しい状態になった場合、神経細胞の損傷は元に戻らないことが多く、基本的に介護や医療的ケアが続きます。長期の寝たきりは、健康な人に比べ平均余命が約1/4程度に短縮するという報告もあります。リハビリや看護・介護で機能改善や合併症予防は可能ですが、完全に元に戻ることは期待しづらいのが現実です。ご家族は、誤嚥性肺炎や褥瘡(床ずれ)の予防、拘縮(関節が固まること)予防など、できる範囲でケアを続け、患者さんの状態を安定させ生活の質を保つことが目標となります。
脳幹出血で手術ができない場合の余命
脳幹出血は、脳幹が生命維持に不可欠な機能が集中する部位であるため、原則として血腫(出血した血液の塊)を取り除く外科手術は行われません。これは、脳幹が脳の非常に深い場所にあり、手術によるアプローチが困難なこと、そして血腫を取り除く操作自体が、周囲の重要な神経組織をさらに損傷させ、かえって状態を悪化させるリスクが非常に高いためです。出血で破壊された脳の神経ネットワークは、血腫を取り除いても回復しないと考えられています。
そのため、脳幹出血は手術をしない「保存的治療」が一般的です。手術ができない場合の余命についても、これまでに説明した通りです。

