突然、胸に痛みを感じる「肋軟骨炎(ろくなんこつえん)」についてご存知でしょうか。
肋軟骨炎は、肋骨や胸骨を繋ぐ関節や肋骨と肋軟骨の接着部に炎症が引き起こされる原因不明の疾患です。
詳しい原因については不明であるものの、激しいスポーツ・外傷・ウイルスや細菌感染によって発症することもあり、原因として考えられるものは様々です。
今回は、肋軟骨炎の症状や原因などを詳しく解説していきます。
※この記事はメディカルドックにて『「肋軟骨炎」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
肋軟骨炎の症状と原因

肋軟骨炎はどのような病気でしょうか?
肋軟骨炎とは、肋骨と胸骨をつなぐ胸肋関節、もしくは肋骨と肋軟骨の接合部に炎症が生じる疾患です。肋軟骨接合部痛や下部肋骨疼痛症候群と呼ばれることもあります。左側の第2肋骨から第5肋骨にかけて痛みが生じることが多いといわれていますが、実際には両側すべての肋骨に痛みが生じることもあります。胸に強い痛みを感じることから、「心臓や肺の病気なのではないか」と心配して受診される人が多いです。
しかし、心臓や肺とは関係がないため、生命に関わることはほとんどありません。肋軟骨炎は治療によって症状が改善することが多く、合併症や後遺症はほとんど報告されていません。
しかし、症状が慢性化する場合や、痛みが強くて日常生活に支障をきたす場合は、適切な治療を受ける必要があります。
症状を教えてください。
肋軟骨炎の症状としては以下のようなものがあります。体を動かした際に胸が痛い
深く息を吸ったり、咳をしたりすると胸が痛む
肋骨に沿うように背中や胸部に強い痛みを感じる
胸に鋭い痛みや圧迫するような痛み、患部を押すと痛みが増すような症状が肋軟骨炎の特徴です。上半身の運動や深呼吸を必要とする身体活動に関連することが多く、くしゃみ・咳・過度な運動でも悪化することがあります。
一部の肋骨だけでなく、複数の肋骨に痛みが生じることもありますので、他の疾患との鑑別が重要です。痛みがひどい場合は医師の診断を受けるようにしましょう。
発症する原因を教えてください。
肋軟骨炎の原因は明確にはわかっていません。しかし、一般的には以下のようなものが原因とされています。外部からの強い刺激
重いものを持ち上げる
激しい運動
ウイルスや殺菌などによる感染
交通事故による衝撃やスポーツによる外傷など、外部からの強い刺激も主な原因の1つです。
また、重いものを持ち上げたりゴルフなどの体を捻るような運動を繰り返し行ったりすると、肋軟骨炎が生じることがあります。
その他にも、ウイルス感染や細菌感染により発症することもありますが、詳しい機序については不明です。性別でいえば、男性よりも女性の人が発症しやすいという特徴もあります。
肋軟骨炎にストレスは関係していますか?
先にも説明しましたが、肋軟骨炎は外的要因や普段の生活により、胸部が損傷することで発症することが一般的です。ストレスも無関係ではありませんが、発症する原因としては考えにくいとされています。しかし、ストレスが原因で肋軟骨炎による痛みが悪化する可能性は考えられるでしょう。
肋軟骨炎の痛みが悪化したり、なかなか改善しなかったりするようであれば、専門機関に相談しましょう。
編集部まとめ

突然、胸に強い痛みを感じる「肋軟骨炎」は、激しいスポーツや外傷によって引き起こされることが多い病気です。
しかし、原因は様々で、感染症や悪い姿勢が引き金となることもあります。また、ストレスが原因で痛みが増強することもあるため注意が必要です。
肋軟骨炎が疑われるようであれば、できるだけ安静にして、リラックスして過ごすことを心がけましょう。
肋軟骨炎の症状は、他の病気とも鑑別しにくいのが特徴です。痛みが続いている場合は、我慢せず、医療機関へ受診してください。
参考サイト
NSAIDsとアセトアミノフェン(日本ペインクリニック学会)

