介護サービスを利用するためには、まず要介護認定を受ける必要があります。介護認定調査は、本人の心身の状態や生活状況を確認し、どの程度の支援が必要かを判断する大切な手続きです。
申請から調査、審査、判定までの流れを理解しておくことで、手続きをスムーズに進められます。
本記事では介護認定調査の流れについて以下の点を中心に紹介します。
介護認定調査とは?
介護認定調査の流れ
介護認定調査後について
介護認定調査の流れについて理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

監修社会福祉士:
小田村 悠希(社会福祉士)
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。
介護認定調査とは

介護認定調査とはなんですか?
介護認定調査とは、介護保険サービスを利用するために必要となる要介護認定を行う際、本人の心身の状態を把握するために実施される調査です。
調査では、身体の動き、日常生活動作、認知機能、コミュニケーション、医療的ケアの有無など、全国共通の74項目について確認します。
介護認定調査は、本人に合った介護サービスを受けるための重要な役割を担っています。
介護認定調査はどのような方が行いますか?
介護認定調査を行うのは、原則として市区町村の職員ですが、地域や申請件数の状況によっては、市区町村から委託を受けた専門職が担当することもあります。
委託先としては、指定市町村事務受託法人に所属する介護支援専門員(ケアマネジャー)や、保健や医療、福祉分野の有資格者などが挙げられます。
調査員として認められるのは、医師、看護師、理学療法士、社会福祉士、介護福祉士などの資格を持ち、介護実務に5年以上従事している、または過去に認定調査を1年以上担当した経験がある方です。
さらに、都道府県や市区町村が実施する認定調査員研修を修了していることも条件です。こうした専門知識を備えた調査員が、公平かつ中立な立場で調査を行い、正確な要介護度の判定につなげられています。
介護認定調査の流れ

要介護認定手続きの流れを教えてください
要介護認定の手続きは、介護保険サービスを利用するための重要なステップです。
①要介護認定を申請する
まず、本人または家族が市区町村の窓口で申請を行います。申請時には、介護保険被保険者証(40〜64歳の方は医療保険証)などの書類が必要です。
②認定調査を受ける
申請後は、市区町村の職員または委託を受けた調査員が自宅や施設を訪問して、心身の状態を確認する認定調査を実施します。
並行して、市区町村の依頼により主治医が主治医意見書を作成します。
③介護認定の判定
その後、調査結果と意見書をもとにコンピュータによる”一次判定”が行われ、続いて医療や保健、福祉の経験のある方で構成された介護認定審査会で”二次判定”が実施され、要介護度が決定します。介護度は、非該当、要支援1・2、要介護1・2・3・4・5のいずれかに分けられます。
④結果の通知
結果は、申請から30日以内に通知されますが、地域によっては40日程度かかることもあります。
以上の4つのステップが、要介護認定手続きの主な流れです。必要なサービスを円滑に利用するためには、早めの申請を心がけましょう。
介護認定調査の前に準備しておくべきことはありますか?
介護認定調査を受ける前には、正確に状況を伝えられるよう準備を整えておくことが大切です。
認定調査での質問内容は全国共通で、日常生活動作や認知機能、コミュニケーションの様子などが中心です。あらかじめ項目を確認しておくと、落ち着いて回答できます。
また、病歴や介護が必要になった経緯、日常で困っていることなどをメモにまとめておくと、限られた調査時間(30〜60分)でもメモを確認することで伝え忘れを防げます。
さらに、本人の認識と家族の見方に差が出ることもあるため、家族が同席できる日程を調整しておくのがおすすめです。特に、認知症など判断が難しい場合は家族のサポートが重要です。
過去の病気やケガの記録、主治医の情報も整理しておけば、調査を円滑に進められます。
介護認定調査当日はどのようなことが行われますか?
介護認定調査当日は、原則として1人の認定調査員が自宅や施設を訪問し、30分〜1時間程度かけて調査を行います。主な内容は、本人や家族への聞き取りと、実際の動作確認です。
調査は全国共通の74項目に基づき、身体機能・起居動作、生活機能、認知機能、精神や行動障害、社会生活への適応の5分野を中心に進められます。
具体的には、寝返りや立ち上がり、食事や排泄、衣類の着脱の状況、金銭管理、物忘れや徘徊の有無などを確認します。また、過去14日以内の医療処置や、住まいや家族の状況についても質問されます。
調査員は聞き取った内容をチェック形式で記録しますが、介護に関する悩みや不安、困りごとがあれば特記事項として記載されることもあります。正確な認定のためにも、普段の様子を率直に伝えることが大切です。

