●「この人を許すことはできません」長女の悲痛なうったえ
公判では、長女の意見陳述が代読された。
「この人を許すことはできません。幼少期からの行為はトラウマになっていて、最近は眠れず、物忘れや集中できないこともあります。
被告人から実家に手紙が届きますが、開封することができません。強い嫌悪と恐怖があります。これ以上、私に怖い思いをさせないでほしいです」
安全であるべき家庭が、彼女にとって「恐ろしい場所」だったことを物語るものだった。
●12歳の次女が勇気を持って語った詳細
被告人の加害行為は次女にも及んでいた。
2024年、当時12歳だった次女は被害に遭ったとされる。次女は公判で、当時の状況や被告人との位置関係、自身の心情を、言葉に詰まりながらも詳細に証言した。
被告側は、次女が当初、母親に「胸やお尻を触られた」としか伝えていなかった点を捉えて、「不同意わいせつ罪にとどまる」と主張。また、「次女の証言は(捜査当局に)誘導されたもの」や「叱られたことへの復讐による嘘」であると反論した。
しかし、矢野裁判長は、被害申告から1週間後の司法面接で次女がより深刻な被害を明かしたことについて「母親に打ち明けること自体、相当の羞恥心を伴う」として、当初一部を伏せたことが証言を否定する理由にはならないと判断。叱られた腹いせで具体的かつ迫真性のある嘘をつくとは考え難いとして、被告人の反論を退けた。
母親も法廷で「被告人を刑務所に入れてほしい」と強い処罰感情をあらわにした。

