顔面外傷の前兆や初期症状について
顔面外傷の初期症状は、顔面の皮膚や筋肉などの軟部組織損傷による痛みや、眼や頬、顎の骨の骨折による症状が現れます。これらの症状は損傷した部位によって症状が大きく異なります。
軟部組織の損傷では、軽いすり傷や切り傷でも見た目の問題から心理的な負担につながりやすいです。また、傷が深いと顔面神経や涙腺・唾液腺の管を損傷し、顔面神経麻痺や涙・唾液の分泌障害を引き起こす可能性があります。
また、顔面の骨折を伴う場合には顔の変形に加えて、知覚障害(しびれ)や物が二重に見える複視、口が開きにくい開口障害、噛み合わせが悪い咬合不全といった症状もみられます。
眼窩骨折(眼の周囲の骨折)では、眼球運動障害と神経障害がないかを十分に観察する必要があります。眼球運動障害による複視と神経障害による頬(ほお)のしびれ、網膜剥離(もうまくはくり)、眼の凹みといった症状がみられます。
頬骨骨折では、眼の骨と顎に隣接している部分の骨折であるため、眼の症状と顎の症状どちらも発現する可能性があります。具体的な症状としては複視、目の凹み、開口障害、咬合不全などが挙げられます。
上顎骨折(じょうがくこっせつ)と下顎骨折(かがくこっせつ)はどちらも顎の骨折で、噛み合わせの機能が悪くなるでしょう。また、顔の歪みにつながりやすく、見た目の問題が生じやすい骨折です。
鼻骨骨折はとくに見た目の問題で心理的負担になりやすいです。鼻骨は顔の中心に位置する骨なため、歪みが目立ちやすい特徴があります。また、鼻骨骨折は鼻詰まりの原因にもなり得るため、注意が必要です。
顔面外傷の検査・診断
顔面外傷では詳しい問診と、視診・3次元CT検査が有効です。問診ではどの部位に衝撃が加わったか、どのような状況で負傷したかなどを聞き取り、怪我の原因や状況の把握をします。
また、視診によって損傷している部位、見た目の問題の大きさを確認します。加えて、問診や視診を通して、脳に異常がないか確認することも大切です。脳の異常がある場合、呂律が回っていない、視線が合わないなどの症状がみられ、脳の状況を詳しく検査する必要があります。
3次元CT検査は顔面外傷による骨折の詳細を評価するのに有効です。骨折部位の特定だけでなく重症度を図り、手術のための画像シミュレーションに活用されます。

