眼瞼痙攣 (がんけんけいれん)とは、ご自分の意思とは関係なく瞬きが増えたり、目が開けられなくなる病気です。
軽度なものであれば目の周りがぴくぴくと動く程度ですぐ直りますが、重症化すると目が開けられなくなって見えなくなるなど、日常生活に大きく支障が出ることもあります。
そのような状態にしないためにも、具体的な症状や治療方法などを知りたいと考えている方は多いでしょう。
そこで本記事では、眼瞼痙攣がどのような病気かをご紹介します。診断・治療方法など詳しく解説するので、参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「眼瞼痙攣 」の原因・症状を和らげる方法はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
眼瞼痙攣の検査と治療

どのような検査で診断されるのでしょうか?
眼瞼痙攣の検査は、次のようなものが挙げられます。問診による検査
随意瞬目テスト
涙液検査
筋電図検査
ポジトロンCT
1つ目の検査方法としては、問診です。
眼瞼痙攣で現れやすい特徴的な症状の有無を確認し、同時に瞬きを素早く行ったりまぶたを強く閉じた後に開けるかなどの試験も行います。
2つ目の検査が随意瞬目テストです。
この検査は、痙攣を一時的に誘発する方法です。医師の前で痙攣が起きていれば容易に診断できますが、常に痙攣が起きているとは限りません。そのため、誘発させて眼瞼痙攣の症状に該当するかを見極めます。
3つ目の検査方法が涙液検査です。
この検査方法は、眼瞼痙攣に合併しやすいドライアイが発症していないかを調べるための検査です。
4つ目は筋電図検査が挙げられます。
この検査では目の筋肉や神経の信号の伝わり方を確認して、痙攣が生じているかを調べます。5つ目のポジトロンCTとは、原因として考えられている大脳基底核などの脳の組織に異常がないかを確認する方法です。
治療方法を教えてください。
この病気を根本的に治す方法は、現在ありません。しかし、症状を和らげるために下記のような治療を行います。ボトックス注射
薬物治療
遮光眼鏡
クラッチ眼鏡
治療方法の1つが、ボトックス注射です。
筋肉の働きを抑える効果が期待できるボツリヌス菌を目の周りに注射し、まぶたの不随意な動きを抑制します。
効果は2~4カ月程度持続し、効果がなくなると再度注射する必要があります。
次に薬物治療も治療方法の1つです。
抗コリン製剤・抗うつ剤・抗痙攣薬の内服薬や人口涙液の点眼薬などを用いて治療します。
さらに、遮光眼鏡やクラッチ眼鏡を使った症状に合わせた対処療法もあります。
遮光眼鏡はまぶしさを感じる場合に、光の一部をカットしてまぶしさを抑えて痙攣を生じにくくする方法です。
クラッチ眼鏡は、まぶたを押し上げる棒が付いた眼鏡で、目を開きやすくする道具です。
手術することもあるのでしょうか?
この病気は手術をすることもあります。先述した治療方法で症状の改善ができない場合に手術を検討する流れです。手術は次の方法で行います。眼瞼皮膚切除術
眼輪筋切除術
眼瞼皮膚切除術とは、まぶたの余分な皮膚を切除してまぶたを持ち上げる方法です。
眼輪筋切除術とは、痙攣に大きくかかわる眼輪筋を切除する方法です。
患者様の症状や目の状態に合わせて手術方法を選び行います。
ボトックス注射は眼瞼痙攣の治療に効果があると聞いたのですが…。
先述したように、ボトックス注射はこの病気の治療に効果が期待できます。ボツリヌス菌を注射することで筋肉の働きを抑えられるので、目が不随意に痙攣を起こさないようにできるのです。
また、効果が早く現れて長く続く点も特徴です。2~3日程度で効果が表れ始め、2~4カ月程度は効果の持続が期待できます。
治療時間も短いため体への負担が少ない点も魅力です。
しかし、1度注射をして永久的に痙攣を治せる方法ではありません。
効果が切れると再び症状が発生してしまうため、定期的に治療を受ける必要があります。
編集部まとめ

眼瞼痙攣は、目が開けられなくなるといった症状が発症するかもしれない病気です。瞬きが増えたり光がまぶしく感じたりする場合は、この病気を疑った方が良いかもしれません。
はっきりとした原因は分かっておらず、治療方法も対症療法が中心であるため、症状を和らげ悪化させないようにすることも大切です。
目の病気が悪化すると日常生活への支障も大きいです。少しでも違和感をおぼえて眼瞼痙攣が疑われる場合は、早めに医療機関を受診して悪化を防ぎましょう。
参考文献
眼瞼けいれん診療ガイドライン

