安倍晋三元首相を銃殺したとして、殺人などの罪に問われた山上徹也被告人(45)に対し、奈良地裁の裁判員裁判は無期懲役の判決を言い渡した。
弁護士ドットコムニュースの記者も、1月21日の判決をこの目で確かめようと、傍聴券の抽選に加わった。しかし、31の傍聴席に対して685人が申し込み、約22倍の倍率の前に砕け散った。
裁判所の周囲を警察官らによって厳重に警備され、入庁時と入廷時の2度にわたる所持品検査が実施された。スマートフォンだけでなく、ペンすら持ち込めない厳戒態勢のもと、公判は計16回にわたって開かれた。
判決を終えた今、実際に裁判を傍聴した人たちは何を感じ、何を考えたのか。
●「想定より重い」戸惑いを口にする傍聴者
傍聴席でこの日の判決を見届けた女性は、「誰もがああいう事件に進むかはわかりませんが、懲役20年くらいかなと思っていたので、無期懲役は、正直、思っていたのと違いました」と語った。
京都市から訪れた男性は傍聴後、「彼には早く社会に戻ってきて、頑張ってほしい。もう少し緩い判決であってほしかった」と語った。
また、判決の内容とは別に、開廷中に複数の報道機関の記者が頻繁に法廷を出入りしていたことで、裁判長が読み上げる判決が聞き取りにくくなる状況があったという。「何をやっているんだと感じた」と不満を口にした。

●「無期懲役は甘い」死刑を求める声も
これまで山上氏の公判の傍聴券抽選に10回ほど並び、この日の判決で初めて傍聴できたという大阪市の男性は、厳しい見方を示した。
「そもそも無期懲役という検察側の求刑が甘い。内閣総理大臣を憲政史上最長にわたってつとめた安倍さんを殺害した事件です。僕は死刑であるべきだと思います。これを死刑にしなければ、同じことが繰り返されかねない」
一方、家族が旧統一教会の信者だという兵庫県の60代の男性は、別の思いを抱いていた。
「自分自身も統一教会の被害者のように感じています。山上氏に共感できるものがあり、人ごととは思えなかった」
判決後、「裁判所は統一教会の影響を認めなかったので不満です」と話した。


