安倍晋三元首相を銃殺したとして、殺人罪などに問われた山上徹也被告人(45)に対し、無期懲役の判決を言い渡した奈良地裁の裁判員裁判。
判決後、審理に加わった裁判員と補助裁判員が記者会見を開き、量刑判断をめぐる葛藤や、事件と向き合った重圧を明かした。(弁護士ドットコムニュース・一宮俊介)
●裁判員6人と裁判官3人で審理された
裁判員裁判では、国民から選ばれた6人の裁判員が、裁判官3人とともに審理に加わり、量刑の判断まで関わる。
傍聴席で取材したジャーナリストなどによると、山上被告人の裁判では、当初は裁判員6人のうち女性が1人いたが、途中で交代し、判決時点では6人全員が男性だったという。
この日の会見には、裁判員をつとめた3人と、補助裁判員をつとめた2人(うち女性1人)が出席した。
●「不幸だから何をしてもいい世の中ではない」
会見ではまず、報道機関の代表質問として、山上被告人の印象について問われた。
裁判員をつとめた40代の男性は「非常に頭のいい人物だなと思いました。家族思いの部分がとても強い印象。家庭環境は、宗教2世として不遇な幼少期、青年期を送ってきたというのは強く思いました。そういった境遇がなければ、持ち前の頭の良さで大成されていた方なのかなと」と話した。
別の裁判員である30代男性は「真っ直ぐしか見られない人なんだろうと思います。妥協もできなかったのかなと思いました」と指摘。一方で「家庭環境が不遇であったことなどいろいろとわかったが、事件を起こしてしまうとなかなか同情できない状況もあるので、不幸だから何してもいいという世の中ではないと考えています」と述べた。

補助裁判員として参加した50代の男性は「自分の言葉で発言されているというのがすごく印象的で、自分に不利になる証言でもちゃんと受け答えしていて、能力の高い人物だと思いました。なかなか僕らからでは想像つかないような辛い境遇を過ごしてきたと思っていますけど、高い能力を犯罪ではなく他の方法に生かしていればと残念に思いました」と語った。

