主人公は、3人姉妹の真ん中の夢子。幼少期、保育園に通っていた夢子が3才のころ、保育士が夢子のある異変に気付く。そのころから、少しずつ家族のバランスに変化が起きて…
3才のころ、保育士さんに、足の長さが左右で違うことを指摘されたことをきっかけに、骨の軟骨部分に腫瘍ができる「オリエール病」と判明した夢子。足の長さの違いはその腫瘍によるもので、腫瘍は悪性ではなさそうなものの、治療をせずに放っておくと、歩行が困難になるケースもある病気でした。
ただ、3才という年齢も考え、経過観察を続けつつ、手術などの治療は、夢子の足の長さの差が5㎝になったタイミングで始めることにしていました。
2年後、足の長さの差が5㎝になった夢子は入院をして手術をし、リハビリを受けることに。ただし、治療には半年くらいかかるもので、5才の夢子には母の付き添いも必要。父は「半年!?その間、俺たちはどうなるんだよ」とひと言。母が家にいない間は祖母が保育園の送り迎えや食事作りなどのサポートをしてくれると伝えますが、父は「夢子の足って治療しなくちゃいけないんだよな?」と治療に消極的な様子。母は「でも、このままだと夢子は歩けなくなっちゃう…」と悲しい顔を見せたのでした。
長期で付き添いが必要な夢子の入院に、家族は…

















長期入院となる5才の夢子には付き添いが必要だったため、夢子の入院により、母と夢子、父と姉・妹で、別々の生活がスタート。夢子には母がそばにいてくれましたが、オリエール病の治療は過酷で、複数回の手術と長期にわたり激痛を伴うリハビリで、夢子は日々大変な思いをしていました。
一方、父と姉・妹には祖母がサポートしてくれていたものの、姉は厳しい父に家のことを手伝わされることも多く、また母のいないさみしさもあって、姉の不満はどんどん増していました。そんな姉は、小3になっても入退院を繰り返し、たまに帰宅する夢子に対し「入院ばっかりしていて友だちがいない」など暴言や嫌がらせをするように。
実際、たまにしか学校に行けない夢子は、学校へ行っても友だちがいなくてつまらないし、家では姉に嫌がらせされるしで、退院できてもちっともうれしくありませんでした。そのため「病院には共に病気と闘う仲間がいるし、治療はしんどいけど、病院にいたほうがマシ」と思うようになっていました。
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大変な思いをして治療に励む夢子、夢子のサポートに一生懸命の母、父の言いつけで家の手伝いをしながら暮らす姉・愛子…。みんな、いろいろな思いを抱えながら、自分がするべきことに一生懸命取り組んで暮らしています。ただ、二女・夢子、長女・愛子、そして父、母とそれぞれの複雑な思いがあり、微妙にすれちがってしまっているようですね。
しかも、姉はその不満やさみしさ、そして嫉妬を、夢子に対する嫌がらせで解消しようとしている様子…。長女とはいえ小学生。高学年という、いろいろな感情が出てくる時期ということもあり、気持ちもわからなくもないですが、つらい思いをして病気と闘う妹を気遣う気持ちもあるといいのですが…。
他人ではなく、自分にとってかけがえのない家族。家族だからこそ言えない気持ちや感情もあるかと思いますが、自分のつらさを声に出すことはとても大切なこと。そうすることで、自分の感情を整理したり、相手のつらさに耳を傾けて理解することもできるでしょう。夢子の家族も、みんなで支え合っていけるといいですね。
<オリエール病について>
オリエール病という病気は、多発性内軟骨腫症とも言い、成長盤の軟骨細胞に腫瘍ができるという、たいへん稀な病気です。身長が伸びるためには、骨の末端近くにある成長盤の軟骨が増えて、骨が長くなる必要があるのですが、この成長盤の軟骨に腫瘍ができると、正常な成長が阻害されてしまいます。オリエール病は、この現象が片側半身のみにおきるのが特徴であるため、左右で足の長さが違うということが起きるのです。痛みが出る、骨がもろくなって骨折しやすいなどで歩行に問題が出ることもあり、治療には複数回の手術が必要です。足の長さが違うなど、異変に気づいたら、早めに受診をしましょう。
監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生
愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等、同総合診療科部長を経て現在、同産婦人科にて非常勤。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
著者:マンガ家・イラストレーター つきママ
