突然、胸に痛みを感じる「肋軟骨炎(ろくなんこつえん)」についてご存知でしょうか。
肋軟骨炎は、肋骨や胸骨を繋ぐ関節や肋骨と肋軟骨の接着部に炎症が引き起こされる原因不明の疾患です。
詳しい原因については不明であるものの、激しいスポーツ・外傷・ウイルスや細菌感染によって発症することもあり、原因として考えられるものは様々です。
今回は、肋軟骨炎のなりやすい人の特徴・治療方法などを詳しく解説していきます。
※この記事はメディカルドックにて『「肋軟骨炎」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
肋軟骨炎の治療方法

どのような人がなりやすいのでしょうか?
肋軟骨炎は、基本的に性別や年齢に関係なく発症する可能性がありますが、以下のような人が発症する可能性が高いとされています。日常的に激しい運動をする人
40代以上の人
女性
疲労がたまっている人や免疫力が低下している人
姿勢が悪い人
胸部に大きな外傷を負った人
ストレスを感じやすい人
胸部への強い衝撃や負荷がかかることによって肋軟骨炎を発症しやすいといわれています。そのため、日常的に激しい運動や肉体労働をしている人は注意が必要です。
また、若年層よりも中高年層のほうが胸部に負担を受けやすい傾向にあるでしょう。性別では、女性のほうが男性よりも発症率が高いです。
肋軟骨炎に限ったことではありませんが、疲れていたり免疫力が下がっていたりする人は、炎症性の疾患にかかりやすくなります。その他、日常的に姿勢が悪い人は、肋骨と軟骨に負担がかかるため、肋軟骨炎を発症しやすくなる可能性が考えられるでしょう。
ストレスについては先述の通り、痛みを増強させる原因となることがあります。
しかし、これらはあくまで一般的な傾向であり、個人差があります。他の疾患が隠れている場合もあるため、適切な診断と治療を受けることが重要です。
肋軟骨炎を疑う場合、何科を受診すれば良いでしょうか?
肋軟骨炎を疑った場合、内科もしくは整形外科を受診することが適切です。もし肋軟骨炎の原因として感染症などが考えられる場合には、内科を受診しましょう。一方、痛み出す前に激しいスポーツや胸部の打撲などがあった場合には、整形外科を受診しても良いでしょう。
具体的にどの科を受診すればいいか迷った場合には、まずはかかりつけの医師に相談してみてください。
どのような検査で診断されるのでしょうか?
まず、患者さんの症状や経過を詳しく聞き取り、その後に患部の診察を行います。患部の診察では、患部の腫れや熱感・痛みの程度・場所・肋骨の動き・圧痛の有無などを確認するのが一般的です。一方、肋軟骨炎の症状が心臓疾患や肺炎など他の病気と似ている場合には、次のような検査で鑑別が行われることもあります。
血液検査
X線検査
MRI検査
CT検査
心電図検査
ただし、これらの検査は肋軟骨炎の診断に必ずしも必要ではありません。必要に応じて医師が判断し、適切な検査を行います。
治療方法を教えてください。
肋軟骨炎の治療では、痛みや炎症を和らげるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や痛みを和らげるアセトアミノフェンなどの薬が処方されます。また、湿布薬や温熱療法が推奨される場合があります。さらに、何らかの原因が考えられる際には、その疾患に対する治療が必要です。
例えば、細菌による感染症が原因で肋軟骨炎が引き起こされた場合には、抗生剤を服用します。その他、過度な運動が原因であれば安静に過ごすことが大切です。
日頃からストレスを強く感じている場合には、痛みが悪化することも考えられるでしょう。そのような場合には、上手くストレスを解消し、リラックスして過ごすことも重要です。
なお、姿勢などが原因の場合には、作業療法士指導のもと、身体の歪みを正し、関節や筋肉の調整を行う必要があるでしょう。
編集部まとめ

突然、胸に強い痛みを感じる「肋軟骨炎」は、激しいスポーツや外傷によって引き起こされることが多い病気です。
しかし、原因は様々で、感染症や悪い姿勢が引き金となることもあります。また、ストレスが原因で痛みが増強することもあるため注意が必要です。
肋軟骨炎が疑われるようであれば、できるだけ安静にして、リラックスして過ごすことを心がけましょう。
肋軟骨炎の症状は、他の病気とも鑑別しにくいのが特徴です。痛みが続いている場合は、我慢せず、医療機関へ受診してください。
参考サイト
NSAIDsとアセトアミノフェン(日本ペインクリニック学会)

