2026年1月20日 謎について考察|辛酸なめ子

2026年1月20日 謎について考察|辛酸なめ子

心のどこかで気になっていた、島根で発見された記憶喪失のモヒカン男性。都内在住40代男性という説も出ていましたが、「週刊現代」に「素性がわかった」という記事が載っていました。

 

島根県奥出雲町で目覚めた自称、田中一さん。年齢名前住所、全ての手がかりを失っていましたが、頻繁に大阪のグリコの看板がフラッシュバック。大阪を歩き回って市役所を訪ねたら不審がられ、たまたまバッグの中に刃渡り8センチのナイフが入っているのが見つかり、逮捕されてしまったそうです。折りたたみ式ナイフの場合は8cm以下で銃刀法違反にならないらしいですが、結構ガチな形状のナイフを持っていたのでしょうか。本人も持っている理由がわからなかったそうです。しばらく留置場に入って釈放。テレビにも出演し、母親とも再会しましたが「この女性は誰なのだろう」という思いで感動もなかったとか。母親には実名を教えてもらい、過去の友人や従兄弟とも再会。カラオケに行っても何も覚えていなくて歌えなかったそうです。自分の前のアパートに行っても他人の部屋のような違和感が。携帯のデータも復元し、外側から自分の情報を探しているとのこと。友人から教えてもらい、アパレルショップやコンビニで働いていたこと、音楽が趣味だったことなどがわかったそうです。

ブログをされていたので見たら、「新しい人間関係は円滑だが旧人間関係は上手くいかない」と書いていて前の人間関係が無理みたいです。おそらく前から自分の人生をリセットしたいと強く思っていて、魂が一旦抜けて、強制再起動したのかもしれません。モヒカンという髪型にも、反骨精神や社会からの距離が表れています。

同じ人生の中で一回転生したような感覚でしょうか。でも、誰もがどこかでリセットしたい思いを持ったことがあるので、それが実際できてしまったのなら、ある意味羨ましいです。約60万円持っていたのも、リセット後の自分が最低限困らないための、前の自分からの支度金なのでしょうか。ナイフというのも、無人島でナイフがあればサバイバルできるみたいな感覚だったのかもしれません。いつか過去の自分も受け入れられるようになるといいのですが……。

世の中は解明できない謎だらけですが、先日謎解きのイベントがあったのでちょっと参加させていただきました。作家の安藤美冬さんが、子供の頃から好きだった「ミステリー」を仕事にするべく、ミステリー専門のエンターテインメントブランド「UNROUTE」を設立。ミステリープロデューサーとして「The Mystery Party -謎と祝祭-」というイベントを開催されました。

参加者はテーブルごとに謎に挑戦。「黒葉愛之介殺人事件」というタイトルで、写真や絵をもとに、ダイイングメッセージを解読して犯人を導き出す、というもの。机の上にトランプカードが置かれ、本棚や絵なども意味深です。文字の背列を五十音の表に当てはめて、ずらすことで別の言葉が浮かび上がるなど、もしかしたら謎解きイベントに慣れている人ならすぐ解けるのかもしれません。私は謎解き慣れしていないのでほとんどわからず、同じテーブルの人がどんどん解いていくのを後ろから眺めて応援していました。「犯人の候補は全員名前に数字が入ってますよね」などと発見したことを呟いたのですが、誰にも聞こえていないし特に関係なかったようです。難易度が高めで挑戦しがいがある問題でした。

謎解きはまずコミュ力が必要だと学びました。人間関係を築く練習になりそうでまた参加してみたいです。

謎解き中のテーブル。何もお役に立てませんでした……。

 

配信元: 幻冬舎plus

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