薬物性歯肉増殖症の治療
薬物性歯肉増殖症の治療では、歯のクリーニングやブラッシング指導などの基本的な歯周治療が第一選択となります。歯肉の肥厚により自己でのブラッシングが困難な場合は、軟毛の歯ブラシを使用することもあります。
歯周治療で改善が見られない場合には、原因となる薬剤の変更や減量が可能か、担当医へ確認します。ただし、抗てんかん薬や免疫抑制剤は特に代替薬が少なく、変更や減量が難しい場合が多いのが現状です。
薬剤の変更が困難で十分な改善が得られない場合や、症状が中等度から重度の場合には、歯肉切除術などの外科的処置が検討されます。歯肉切除術では、麻酔下で腫れた歯肉の一部を切除し、歯と歯肉の間の深い溝に汚れが溜まりにくい状態を作ります。
手術後も再発する可能性があるため、継続的な管理が必要です。
薬物性歯肉増殖症になりやすい人・予防の方法
薬物性歯肉増殖症は、てんかんや高血圧症、臓器移植、自己免疫疾患などさまざまな疾患の治療によって、特定の薬剤を使用している人に発症リスクが高まります。
そのなかでも特に口腔環境の管理が不十分な場合、発症リスクはさらに高くなると考えられています。
予防には、適切な口腔ケアが不可欠です。
毎日の正しいブラッシングや歯間ブラシ、フロスの使用により、歯垢や歯石の蓄積を防ぐことが重要です。定期的な歯科検診を受け、歯科医師に口腔内の状態をチェックしてもらうことは、この疾患の発症予防と早期発見につながるでしょう。さらに、服薬による体の変化を注意深く観察し、気になる症状があれば医師に相談することで、早期対応が可能になります。
関連する病気
てんかん高血圧症
自己免疫疾患
歯肉線維腫症
歯肉増殖症炎
参考文献
特定非常利活動法人日本臨床口腔病理学会口腔病理基本画像アトラス歯肉線維腫症やほかの歯肉増殖症
特定非常利活動法人日本臨床口腔病理学会口腔病理基本画像アトラス薬物性歯肉増殖症
岩手医科大学歯学雑誌薬物誘発性歯肉増殖症の基礎と臨床
日本顎咬合学会誌薬物性歯肉増殖症を伴う慢性歯周炎患者への歯周治療
東京金属事業健康保険組合薬物性歯肉増殖症

