「血圧の薬における副作用」の正しい対処法・改善法は?
血圧の薬を服用している方が「これは副作用なのかな?」と感じたらどうしたらよいのでしょうか。ここからは、血圧の薬の副作用に対する対処法を紹介します。
血圧の薬を服用した後に副作用を感じたときの対処法とは?
薬の服用後に気になる症状があらわれたら、次回の診察を待たずに電話で相談するか、早めに受診しましょう。その際は、「足がむくむ」「咳が出る」など、気になる症状を具体的に伝えることが大切です。
ただし、息苦しさや全身の蕁麻疹、意識が遠のく感じがある場合は、すぐに薬を処方した医療機関を受診してください。薬を処方した医療機関が閉まっている時間や曜日の場合は、救急外来の受診も検討しましょう。
副作用を疑う場合、医師は別の種類の薬に変更したり、量を調節したりします。自己判断で薬の服用を中止すると、血圧が急上昇する可能性があるため、気になる症状は我慢せずに相談してみてください。
血圧の治療薬で副作用を軽減するための生活習慣
血圧の治療薬の副作用が心配な方は、以下の生活習慣を心がけてみましょう。
生活習慣 軽減できる可能性がある副作用
歯磨きをしっかりとする カルシウム拮抗薬による歯肉肥厚
グレープフルーツジュースは避ける カルシウム拮抗薬が効きすぎることによるふらつき
運動習慣をつける β遮断薬による糖・脂質の代謝異常
ゆっくりと立ち上がる 降圧薬全般によるふらつき
水分をこまめにとる(制限がない場合) 利尿薬による脱水
また、直接的に副作用を軽減するわけではありませんが、血圧を下げる以下のような生活習慣を意識することも大切です。
減塩する
野菜や果物を積極的に摂る
脂質を摂りすぎない
肥満を予防・改善する
運動習慣をつける
アルコールは控える
禁煙する
生活習慣によって血圧が下がれば、必要な薬の種類や量が減り、副作用のリスクも下げられる可能性があります。できることから少しずつ始めてみてください。
「血圧の薬における副作用」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血圧の薬における副作用」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血圧の薬を飲んで副作用が起きることはありますか
伊藤 陽子(医師)
すべての薬には副作用の可能性があるため、血圧の薬で副作用が起こることはあります。
たとえば、薬が効きすぎて血圧が下がりすぎてふらついたり、薬の作用メカニズムによって咳やむくみが出たりすることが考えられます。しかし、副作用はすべての患者さんに起こるわけではありません。
副作用のリスクよりも、高血圧を放置して脳卒中や心筋梗塞になるリスクの方が高いため、処方された薬は基本的にしっかりと服用しましょう。ただし、気になる症状があらわれたら、主治医へご相談ください。
主な血圧の薬の副作用の症状は何でしょうか
伊藤 陽子(医師)
主な血圧の薬には、以下のような副作用があります。
・Ca拮抗薬:足のむくみ・ほてり・動悸・歯肉肥厚
・ACE阻害薬:空咳
・利尿薬:脱水・頻尿・ミネラルバランスの崩れ
・β遮断薬:徐脈・だるさ・気管支喘息の悪化
・すべての血圧の薬:血圧低下によるめまいやふらつき。
また、薬がからだに合わないとアレルギー反応が出て、かゆみや発疹が出る可能性もゼロではありません。薬の服用後に気になる症状があれば、主治医へご相談ください。
高血圧の薬は副作用で認知症リスクが高まる恐れがあるのでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
「血圧の薬で認知症リスクが高まる」は、基本的には誤解です。
むしろ、高血圧そのものが認知症の大きなリスク因子です。高血圧を放置すると、アルツハイマー型認知症や血管性認知症のリスクが高まることが分かっています。
ただし、薬が効きすぎて血圧が下がりすぎると、注意が必要なケースもあります。脳血流を調節する機能が低下している高齢者では、血圧が下がりすぎると脳への血流が不足して認知機能に悪影響を及ぼす可能性や、起立性低血圧と認知機能低下の関連を示す報告もあるためです。
一番大切なのは、医師の指導のもとで血圧を適正なコントロールすることです。自己判断で薬をやめず、適切に管理することが、認知症予防につながります。
降圧剤を飲んでいる人がグレープフルーツジュース以外に注意すべき食事はありますか?
伊藤 陽子(医師)
降圧剤を飲んでいる方は、グレープフルーツジュース以外に以下のような食事に注意しましょう。
・グレープフルーツと同様にカルシウム拮抗薬の作用を強める可能性のある、夏みかん・ブンタン・はっさくなど
・カルシウム拮抗薬の作用を弱める可能性のある、セントジョーンズワート(健康食品)
・血圧を上げる可能性のある、塩分の多い食事
・肥満を招き血圧を上げやすくする、脂質の多い食事
ただし、柑橘類でもみかんやネーブル、レモン、バレンシアオレンジなどは、降圧剤への強い影響を心配する必要はありません。基本的には、バランスよく栄養を摂り、食べすぎないことが大切です。気になる点は主治医や、医療機関に在籍していれば管理栄養士へ相談してみましょう。

