不倫にのめり込んでいく友人
ところが、最近の真由は……何かがおかしい。
「実は、支えてくれる人ができたの。独身の人なんだけど、私の今の状況も全部わかってくれていて、なんでも話を聞いてくれるんだ」
最初はそんな話だったと思います。私も素直に「よかったね」と返しました。でも、話を聞くうちに、私の背筋は冷たくなっていきました。
「昨日は彼の家に子連れでお邪魔してきたの」
「今日は実家に子どもを預けてドライブしちゃった。久しぶりに女に戻れた気がしてる」
真由、あなたは何を言っているの? 別居中とはいえ、まだ籍は入っている中で、彼女がしていることは完全に不倫です。スマホを握る手が、じわじわと汗ばみます。
モラハラから解放されたことを一緒に心から喜んでいたつもりでしたが、今の彼女から感じるのは苦しみから解放された喜びではなく、足のつかない沼に沈んでいくような危うさでした。
「奈美恵も少しは女性に戻る瞬間を作った方がいいんじゃない?アキラさんはいい人だけど、マンネリしそうじゃん」
無邪気すぎるその言葉に、私は返信できぬまま、画面を閉じました。私の知っている優しくて堅実な真由は、どこに行ってしまったのでしょうか。
あとがき:「可哀想な私」という免罪符
苦境にいた親友がようやく自由を手にしたと思った矢先、待っていたのは「不倫」という新たな泥沼でした。第1話では、モラハラ被害者という立場が、いつの間にか身勝手な行動を正当化する免罪符にすり替わってしまう危うさを描いています。
奈美恵が感じる、喜ばしいはずなのに背筋が凍るような違和感は、大切に思ってきた相手だからこそ抱く「恐怖」に近いものです。二人の価値観が決定的にズレ始める瞬間を切り取りました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

