
2025年12月17日、吉本芸人・まつした(バリカタ友情飯 松下遼太郎)の初書籍『え?自分から悩みにいってね?』が上梓された。『え?自分から悩みにいってね?』は、まつしたのYouTubeチャンネルが100万人を突破したことを記念して発売されたお悩み解決本。恋愛や仕事などの悩みに対し、まつした流のマインドで解決術を語る自己肯定感を爆上げする1冊だ。本書には、親交のあるYouTuberで元芸人のたかさき(ニートと居候とたかさき)との対談が収録されている。ここでは、文字数の関係から書籍に収録できなかった会話を紹介する。
■メシに連れて行ってもらえないまつした
——二人の関係性について教えてください。
まつした:出会ったのは、たかさきさんがまだ芸人をやっていたころですよね。劇場でおしゃべりさせてもらうぐらいで、当時はあんまり関わりなかったけど。でも、1回新宿で会ったの覚えてます?
たかさき:俺がバイトに行く前かな?
まつした:そうです。「これからバイトなんだよ」ってちょっと急いでたんですけど「な、な、な、なんか食う?」とか言い出して(笑)。ラーメン奢ってもらって「ごちそうさまでした」って言ったら「遅刻だ!」と。遅刻確定してるのに後輩にラーメン奢るって、ちょっと変な人だなって思いましたよ(笑)。
たかさき:この話「実はこうで……」とかが無いから、変すぎて信用なくなるかも(笑)。遅刻しそうでパニクってるけど後輩いるから奢らなきゃとなって「遅刻してるわ、最悪」って思いながらラーメン完食した(笑)。
まつした:でも、あれでだいぶ優しい人ってわかりました。当時も金髪だったし、どっかしらビビッてたんで(笑)。
たかさき:こっちもちょっとビビってたよ(笑)。芸歴は僕のほうが上なんですけど、年齢はまつしたのほうが1個上で。良い大学を卒業して1年間社会人してるし、高卒の僕からしたら踏んできた場数が違う。ハキハキしゃべるし、明るくキラキラしてる人だと思ってたな。「俺が世話してやんなきゃ」って感覚になる後輩ではないね(笑)。
まつした:それが先輩にメシ連れてってもらえない理由か。
たかさき:ほかにも問題あるから。
まつした:ほかにも問題あんのかよ。
たかさき:全然あるでしょ。
まつした:最悪なんだけど(笑)。近くなったのは、たかさきさんが芸人を辞めてからですよね。一緒に飲みに行く機会があって、急激に距離が近付いた気がします。タイミング的には、僕がSNSをはじめたてぐらいのとき。
たかさき:インスタを始めたくらいだよね。
まつした:TikTokです。
たかさき:OK。まずTikTokだね。
まつした:自信ないならやめてください、言い切るの(笑)。
たかさき:TikTokみたいな縦動画は、まつしたも「得意だ」って自分でわかってたんだよね。でも横(YouTube)をどうしたら良いか、って話をした記憶がある。恋愛とかの話題で、Q&A系やったら良いんじゃない?って話をしたよね。
まつした:ほぉ~……?
たかさき:覚えてない?
まつした:めっちゃ覚えてないです、すいません。
たかさき:ちょ、ビビるわぁ~(笑)。
まつした:マジで覚えてないです。
たかさき:ダメだ、ダメだなそれは……。
まつした:なんか、手柄奪いに来てます?
たかさき:全然、全然(笑)。「俺がまつしたをつくった」とか言うつもりはないよ(笑)。
まつした:でもたしかに、散歩しながらアドバイスもらったりしましたよね。
たかさき:もう無理だよ(笑)。

■時間を置いて悩みを薄めるのもアリ
——『え?自分から悩みにいってね?』では、様々なジャンルのお悩みに対して、まつしたさん流の解決術がたくさん紹介されています。落ち込んだとき、たかさきさんはどう対処しますか?たかさきさん流の解決術も教えてください。
たかさき:自分が悪くて落ち込んだら同じことをしないようにするけど、自分が悪くないときはめちゃくちゃ悪口言うかな。お酒の席で友だちに悪口を聞いてもらったりして、終わり。単純だけど、悩んでることについて近場の人にめっちゃ言う。
まつした:それでスッキリするんすか?
たかさき:めちゃくちゃスッキリする。自分の悩みに友だちは関係ないんだけど、悩みを隠して遊ぶのがしんどいのよ。だから最初に「仕事でこんなことあって、めっちゃきついわ~」とか話しちゃう。
まつした:愛されますよ、あなたはやはり…・‥。
たかさき:まつしたは言わん?あ、悩まないか?
まつした:悩まないわけじゃないけど、「アメリカのビジネスマンは不機嫌を顔に出さない」みたいな言葉があって、それに憧れてて。大学時代アメリカに留学したんですけど、なんとなくみんな上機嫌なんすよ。「抱えてる悩みを関係ない人に出すのはあんまりナイスじゃない」みたいな感じがあって、それを意識しちゃってますね。だから「この悩み、この人に関係ねぇしな。知らないのに言われても嫌かな」とか思っちゃいます。
たかさき:はいはい。
まつした:でもたかさきさんのスタンスを聞いてみたら、別に嫌じゃないなって思います。「言っちゃったほうが良いかな」と、今思いました。
たかさき:あと、落ち込んだときは酒かな。
まつした:お酒との付き合い方、上手そうっすね。
たかさき:めちゃくちゃ下手だけど(笑)、酒に助けられている。良くないけど。
まつした:酒でまぎれる悩みもあるんですか?
たかさき:どうでも良くなる。思考能力がちょっと低下するから。
まつした:でも、翌朝に冷静になるじゃないですか。「飲んでるときは悩み消えてたけど、冷静になると……」みたいな感じでぶり返したりはしないんですか?
たかさき:悩みの種類にもよると思うけど、飲んでるときにしゃべってスッキリもするし、悩みを薄めるために時間って必要だと思うんだよね。飲んでる間に時間が経ってる、この延長は無駄に見えてアリだと思う。時間が経つと悩みがめっちゃちっちゃくなってるとか、あるでしょ。
まつした:そうっすね。「時間を置く」みたいな武器を持っておくと楽ですよね。
たかさき:そうだね。自分が幸せでいられる生き方って、人それぞれじゃん。だから40歳くらいまでに“武器”を増やしたいなって気持ち。
まつした:うんうん。たしかに昔に比べると、今は自分の感情をゆっくり見られるようになってる気はしますね。嫌なことは嫌だけど、「このくらいだったら寝たら忘れるな」とか分かってくるし。そう思えると「今は苦しいけど、数時間後には楽になってるな」と思える。
たかさき:すごいメンタルだな(笑)。今は苦しいけど「あと数時間だな」とか冷静に落とし込んでんの?
まつした:けっこう落とし込みます。あとは「寝るまでまだ時間あるから、筋トレに行って痩せようかな」とか転換もしますね。奥さんと喧嘩したときも「こんぐらいだったら、次に面と向かってちゃんと話せば大丈夫だな」とかもなんとなくわかってきました。こうやって、自分が楽になれる武器があると便利ですね。
たかさき:そうだよね。結局、なにが起きても楽しくできる方法を知ってるから、余裕がある。
まつした:武器を見つけるためにも、自分の心をちゃんと見つめておいたほうが良いのかなとは思います。そうすれば「この程度の悩みだったら、一晩寝れば大丈夫」とかわかる。
たかさき:そうだね。あと、自分がどんなときにテンション上がるのか、とかも分かってると良い。
まつした:たしかに「あんとき調子よかったな」ってのを思い返すと良いですよね。部屋が片付いてるとか、自炊をちゃんとできてるとか、根本的なところに立ち返れたりもする。意外と、部屋を片付けるだけで悩みが減ったりもするんですよね。
たかさき:はいはい。めちゃくちゃ同意。なんだけど、うち、終わってるぐらい汚いんだよな(笑)。説得力ないんだけど、同意(笑)。そういうちっちゃいところに幸せを見つけておくと、ラッキーだよね。週1のドラマが楽しいとかでも良いし。
まつした:外側を整えると内側も勝手に落ち着いてくれるから、それを知っとくと楽な気がします。
たかさき:たしかに。大事だね。
まつした:たかさきさんってけっこう飄々として見えますけど、悩んで愚痴吐いたりするんですね。
たかさき:そんな飄々としてるかな?俺はめちゃくちゃダサくて人間的だからな。
まつした:なんか羨ましいですよ。
たかさき:人間的でいるほうが、たぶん自分が楽なんだろうな。たまにメンタル強くてすごい人もいるけど、全員ああはなれんよ。
まつした:そうっすね、無理ですよね(笑)。いや~、良い話聞けました。結論「たかさきさんは、悩んだら酒に逃げます」ってことですね。
たかさき:うっすいって(笑)。
取材・文=堀越愛

